阪神梅野隆太郎捕手(30)が「御前試合」で躍動した。「結束!侍ジャパンナイター」として開催された中日戦。稲葉監督が見守る中、プロで代表初選出の梅野はガンケルら3投手を完封リレーに導き、先頭の3回は安打で出て先制ホームを踏んだ。走攻守で快勝に貢献し、チームは前半戦の貯金ターンが確定。東京五輪による中断まで残りは18試合。日本の梅ちゃん、いや今は虎の梅ちゃんとして、まだまだ頼むで!

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虎の扇の要が、充実の表情でマウンドの輪に加わった。今季6度目の完封勝利。ガンケル-及川-岩貞の無失点リレーを導いた梅野は、ナインとグータッチで勝利を分かち合った。

梅野 信じて投げてくれるんで。(リードに)応えてしっかり投げてくれた結果がいい方向にいった。

気持ちは自然と高ぶった。この日は「侍ジャパンナイター」で稲葉監督が来訪。試合前には打撃ケージ裏で1分程度談笑した。今年の4月に「もちろん出たい」と東京五輪出場を熱望していた梅野は、選出を知らせる指揮官との電話で「ありがとうございます! 本当、頑張ります」と気合みなぎる言葉を返した。

稲葉監督 ジャパンに入りたいという思いが強いのは、私も大事にしていたところ。そういう気持ちもくみたい。彼の力を借りながらやっていきたい。

刺激を受け、稲葉監督の前で攻守に奮闘した。3回先頭の第1打席で右前打。口火を切ると、中野の犠飛で先制のホームを踏んだ。

稲葉監督 逆方向へのヒットは国際大会でも大事。キャッチャーというポジションもそうなんですけど、打つ方も勝負強いですし走るのも非常に速いので、そういうところも含めて期待しています。

守りでも先発ガンケルを巧みに操り、7回で21アウトのうち13個はゴロアウト。時にはジェスチャーも交え、体全体でリードした。

梅野 良いコミュニケーションを取りながら、ゲーム中に感じたことをお互いできている。流れを渡すことなく、テンポもいいし、攻撃に持って行けるという持ち味が出せた。

セパの多士済々なメンバーと初めてコンビを組むことも考えられる国際大会。投手を気遣い、時には厳しく指摘できる捕手としての振る舞いは、侍ジャパンでも大きな力となるはずだ。

梅野 結果どうこうより自分がやるべきことをゲームでは出そうと。全力疾走だったり、そういう元気な姿を見せられてよかった。

チームは交流戦後初のカード勝ち越しで、貯金を再び20とした。虎の勢いを侍でも-。日の丸を背負う覚悟が、ひしひしと伝わってくる夜だった。【中野椋】

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