マー君が球宴に帰ってくる。日本野球機構(NPB)は5日、マイナビオールスターゲーム2021(16日=メットライフドーム、17日=楽天生命パーク)の監督推薦33選手を発表し、出場全64選手がそろった。

今季から日本球界に復帰した楽天田中将大投手(32)が8年ぶり7度目で選出された。本拠地仙台も舞台となる“お祭り”で、好打者との対戦を心待ちにした。ファン投票、選手間投票を合わせた初選出は広島栗林良吏投手(24)ら両リーグで28人。最後に球宴が実施された19年から倍増となった。侍ジャパンの東京五輪代表は24人中21人が出場。本塁打競争出場選手は6日から投票が始まる。

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8年ぶりに立つ球宴のマウンドは、ホームグラウンドかもしれない。田中将は監督推薦での選出に感謝した。「もちろん自分たちの本拠地でゲームが開催されるということは知っていたので、チャンスがあれば出たいと思っていました」。第2戦は楽天生命パーク。東北のファンに楽しんでもらいたい。

前回出場時は24歳だった。今年は初選出が28人。年下も増えた。「時の流れを感じるとは思う。話したことない選手がたくさんいるので、コミュニケーションを取りながら、アンテナを張り巡らせながら、自分に生かせるものがあったら取り入れてやっていきたい」。ルーキーで出場した07年にはダルビッシュ(現パドレス)や涌井とキャッチボールを行い、技術向上につなげた。他球団選手との交流を楽しみにしている。

観客に喜んでもらおうとする精神も健在だ。第1戦先発として全パの先陣を切った13年、2回を完全に抑えた。150キロ超連発の剛球ショーだったが「自分の最大の武器を見せないのもどうか」と捕手のサインに首を振り、スプリットで三振を奪った。

「いい打者しか出てこないと思うので、ファンの方々がわくわくするような、見入ってくださるようなパフォーマンスを出すことができればいいかなと思います」。投球で、背中で、今年も「田中将大」を見せる。【鎌田良美】