ソフトバンク千賀滉大投手(28)が、左足首の靱帯(じんたい)損傷から3カ月ぶりの1軍マウンドで自己ワーストの10点を失い、3回途中でKOされた。前日5日には侍ジャパン東京五輪代表への代替招集も発表されたばかりだが、不安の残る復帰登板になった。

千賀らしからぬ姿だった。初回に1失点。2回は3者凡退に抑えたが、3回に連続で押し出し四球を与えるなど一挙9失点。チームは4位に転落し「チームが連勝していた中で、その雰囲気を壊してしまったこと、流れを止めてしまったことが悔しいし、情けない。本当に申し訳ない」と唇をかんだ。工藤監督は「結果を見れば、良くなかったんだろうなと。1週間でちゃんと立ち上げることができるか、できないかというところは相談した方がいいかなと思っています」と、次回登板の回避も示唆した。

今春キャンプは両ふくらはぎのコンディション不良で出遅れ、今季初登板となった4月6日の日本ハム戦で左足首を負傷。靱帯(じんたい)損傷で再離脱となった。「片足生活だったり普段のリハビリとは違うしんどさ、つらさもあった」。自力で歩くこともできない、苦しいリハビリ生活に逆戻りした。

稲葉監督からは、就任後初めてフル代表の指揮を執った18年3月の強化試合初戦で先発に指名され「WBCを経験しているし、投手陣を引っ張っていってほしい」と、東京五輪を見据えた投手陣の中心としての役割を期待されていた。だからこそ千賀も「いつも声をかけてもらっていましたし、そこに応えられるように、リハビリでも下を向かないようにと思っていた」と、五輪への思いをリハビリでのモチベーションにしていた。

次回登板回避が現実になれば、東京五輪にはぶっつけ本番で臨む可能性もある。本大会まで1カ月を切る中、エースの底力が試される。【山本大地】

▼ソフトバンク千賀が10失点。19年8月17日西武戦の9失点を上回る自己最多失点となった。1イニング9失点も前記西武戦(2回表)以来の自己ワーストタイ。ソフトバンクの投手が1試合10失点以上を記録したのは、18年4月25日西武戦のバンデンハーク(5回1/3、10失点)以来。

▼千賀は奪三振ゼロのまま降板。千賀が先発して三振を1個も奪えなかったのは、12年5月11日ロッテ戦(打者11人)以来2度目。

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