ロッテ藤原恭大外野手(21)の強烈なライナーが右中間を抜け、10点目が入った。3回2死まででソフトバンク千賀に9安打を浴びせKO。藤原はそのうち3本の長打を放った。「いつもよりフルスイングというか、しっかりした自分のスイングで振れたので」と己を貫いた。

立ち合いに、強い意識を寄せた。第1打席、初球158キロをフルスイングしファウル。昨秋のCS第1戦でも初球の159キロをファウルにした。

「フォーク、スライダー、カット(ボール)があるんで。それを頭に入れたら全部ファウルになっちゃうので、変化球3つは来たら空振りでいいや、くらいの気持ちで直球一本に絞っていました」

ミーティングでの指示も直球狙い。惜しくも凡退した1番荻野に続き、狙いを定めた。前日は5打数無安打。試合後にウエートトレを1時間以上行い、フルスイングの礎となる下半身を固め、大事な戦いに臨んでいた。3長打とも千賀自慢の直球を強くはじき返し、CSで4打数無安打に封じられた借りも返した。

チームは7月に入り4連勝で、単独2位に浮上した。貯金も今季最多タイの3に。レギュラー陣に疲れがではじめた初夏に、復活した藤原が上昇気流を作り上げている。それでも「もちろん(打てて)うれしいですし、自信にはなると思いますけど、まだまだシーズンは続くので、ここで過信せずに」という落ち着きぶり。冷静に戦略を練り、大いに躍動する。【金子真仁】

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