ロッテのドラフト4位右腕・河村説人投手(24=星槎道都大)がプロ初先発で初勝利を挙げた。

河村を担当した柳沼強スカウト(47)は「十分すぎる、予想以上の投球でした」と5回1失点の好投をたたえ「本当にうれしいです」と祝福した。

柳沼スカウトは北海道と東北、関東の一部大学を担当している。河村は星槎道都大時代に4度、試合を視察した。「角度はあるし、フォークもいい。シーズン終盤には150キロも出て、そこで魅力がさらに強くなりました」と将来の先発投手候補として球団に推薦した。

プロ1年目はリリーフ起用が中心になるとイメージしていたという。実際、開幕1軍に選ばれ、リリーフで15試合に登板した。「北海道の子で、冬場にあまり練習できていない。投げる体力はまだないと思って、中継ぎで少しずつ体力をつけながら、と思っていました。(7月に)先発であそこまで投げられるとは。一度ファームに落ちたことも良い経験になったと思います」と順応の高さに驚き「頭が良くて、本当に意識が高い子。自分の考えをしっかり持ち、それをちゃんと言える。今日も考えながら、打者1人1人に本当に丁寧に投げていた印象が強いです」とたたえた。

99年に現役引退した後は、長くブルペン捕手を務めた。19年からスカウトに転身し、広い東日本の交通網を把握することから仕事を始めた。担当地区からは19年ドラフトでは佐々木朗希投手(19)が、昨年ドラフトでは河村が入団した。その長身右腕2人が今季、立て続けにプロ初勝利を挙げてチームを勢いづけている。

「本当にうれしいですよ。足を使って各地を飛び回って。自分がいいと評価した選手を、球団が指名してくれて、彼らが入団してくれて、こうして活躍してくれて。最高にうれしいですよ」

新たなる逸材を求めて今年も日焼けし、靴底を減らしている。【金子真仁】