ソフトバンクが首位オリックスに逆転勝ちし、連敗を3で止めて、一夜で勝率5割に戻した。

試合を決めたのは柳田悠岐外野手(32)。「勝ちたいという気持ちだけでプレーしました」と、12試合ぶりの決勝19号2ランを放てば、8回には三塁から中村晃の犠飛でダメ押しの生還。守備で好プレーも見せ、走攻守で苦しむチームをもり立てた。

打った瞬間、スタンドインを確信する一撃だった。1点を追う3回2死一塁。オリックス山崎福の変化球を捉え、豪快に右翼席に突き刺した。「本当に久しぶりのホームランなので、素直にうれしいです。少し安心しました」。1試合2発だった6月24日ロッテ戦以来の感触に、表情を緩めた。

8回、3点目のホームインも大きかった。3回1死一塁の守備では、右翼ファウルゾーン、フェンス際の飛球を滑り込みながら好捕し、先発マルティネスを助けた。

借金1で迎えたこの試合、首脳陣は思い切った打線の組み替えを行った。小久保ヘッドコーチは「残り5試合。なりふり構っていられないところまで来ている」。4番には今季初めて川島を起用。プロ初スタメンの3年目野村、今季2度目の先発となる高田を抜てきした。ズバリ的中という形ではなかったが、ここ8試合は2番に座る「不動の軸」柳田がチームの危機を救った。

本拠地ペイペイドームでは6月9日広島戦以来、1カ月ぶりの勝利。「鷹の祭典」で赤く染まったスタンドも、久々の歓喜に揺れた。首位オリックスとのゲーム差は4・5差になった。柳田は「1つ勝つ大変さは身に染みて感じている。チーム一丸で1戦1戦、戦っていきます」。前半戦は残り4試合。少しでも差を詰めて、五輪中断期間に入る。【山本大地】