DeNAの若手内野手が火花を散らした。6番一塁で先発した牧秀悟が2回に先制ソロ。スチュワートのカーブを左中間へ豪快にたたきこんだ。「感触は良かったです。昨日は追い込まれてから何もできなかったので、何とか事を起こそうと食らいついていきました」と笑顔で振り返った。9回にも右前打を放った。

今季序盤、来日が遅れたソトが不在だった一塁を埋めて余りある活躍を見せた。だが、6月中旬に腰の張りを訴えると、徐々に出番を減らした。7月の月間打率は1割9分4厘。柴田竜拓の故障で再び出番が増えたが、安穏とはしていられない。

大卒3年目の伊藤裕季也内野手は、4回無死一、三塁から右前に適時打を放った。カウント2-2からスチュワートの外角155キロを軽打した。「追い込まれていましたが、何とか後ろにつなぐため気持ちで打ちました」。これで前の試合から2試合連続の適時打となった。ポジションがかぶるルーキー牧の台頭もあり、今季は公式戦の1軍出場がない。エキシビションマッチで存在をアピールする必要に迫られている。

三浦監督は、牧について「ホームランもそうでしたけど、最後の打席もヒットを打ってよかった。ホームランだけで終わらずに」と、最後まで集中力を切らさないルーキーをほめた。伊藤裕の猛アピールには「そう感じている。伝わっている。打席だけでなく守備も塁上でも伝わった。危機感だけじゃない。チャンスにかける思いが人一倍強い」。前日から1軍生き残りへ向け、全力プレーを続ける姿勢を高評価した。【斎藤直樹】