ロッテ佐々木朗希投手(19)が後半戦に向け、期待を一気に高める投球を披露した。

無観客のバンテリンドームに、木製バットの鈍い音ばかりが響いた。「天候(条件)とか風もなかったので投げやすかったです」という初のドーム球場での登板で、中日打線を5回1安打に。芯で捉えられても、球威で食い込ませた。

5回無死一、二塁でも153キロでガーバーのバットを粉砕し、併殺にした。「指のかかりは良かったと思いますし、甘いところにいっても安打にされず、打ち取ることができて良かったかなと思います」。150キロ台中盤の球速を当たり前のように投げ込んでいく。

気配が漂う中でやはり、プロ入り後実戦での自己ベストも更新した。158キロ。初回、高2夏に関西方面への遠征で試合をしたこともある中日岡林(当時は菰野高)を直球、変化球で追い込み、ウイニングショットの直球が「158」と表示された。4回も岡林の初球に158キロを投げ、空振りさせた。

本人は「(今までと)1、2キロしか変わらないので」と話すのみ。大船渡高時代は157キロや160キロや163キロはあったが、実戦で158キロを計測するのは高校時代も含めて“初”。この夜は157キロも投げ、155キロでカウントを整え、直球平均球速も154・9キロとなった。

2回、オープン戦で直球6球のみで見逃し三振を奪ったビシエドには、今回はプロ入り後初解禁となるカーブから入った。エキシビションマッチならではのトライにも積極的だ。

前半戦は5試合に先発し1勝2敗、防御率は3・76。試合中盤に崩れるケースがあった。中6日での登板をクリアし「前半戦はふがいない投球が続いていたので、後半戦はいい投球ができるように頑張りたいです」と意気込む。シーズン後半も前半戦と同じペースでの登板になる見込み。ただ、着実に進化を進めている。【金子真仁】