阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が“大当たり”で4連勝を導いた。まずは0-0の2回1死。左打席で右腕の大貫を捉え、会心の先制2号ソロを右中間に運んだ。さらに同点に追いついた8回。なお無死満塁は右打席に入り、左腕のエスコバーから左足裏に死球をもらって決勝点をゲット。思わず尻もちをついたが、会心の笑みがはじけた。

「(先制弾は)すごくいい感覚で打つことができた。チームにいい流れを与えられたと思うし、チームの勝利に貢献できてよかったよ」

2回は三振を取りに来たDeNAバッテリーに追い込まれ、内角高めのつり球で1度目線を上げさせられた。ここで捕手伊藤光は勝負球に外角低めのチェンジアップを要求。対角線への緩急のある球で三振を取る意図だ。だが、大貫が投げきれず、内角低めに逆球。後半戦左打席ではこの打席前まで9打数4安打と好調のロハスは、129キロのチェンジアップにも泳がされなかった。低い弾道で5月18日ヤクルト戦(甲子園)以来の2号ソロをたたき込んだ。「状態は少しずつ良くなっているけど、まだ100%ではない」。20年に韓国プロ野球で47本塁打を放った両打ち大砲は、さらなる打撃上昇を予告した。

前半戦は51打数5安打、打率0割9分8厘と苦しんだ。だが後半戦はここまで18打数5安打、打率2割7分8厘と調子を上げている。大きな要因は家族だ。地道な2軍調整中も、休憩時間にテレビ電話で家族とやりとりするなど、あふれんばかりの愛がある。球団の許可をもらい、前半戦終了後に一時帰国。「家族と幸せな時間を過ごせたことは本当に大きなことだったよ」。つかの間の休息でリフレッシュし、後半戦の活躍につなげている。

同じ外国人枠を競うマルテは現在調整中。2軍戦は雨天の影響で思うように消化されずに、マルテは実戦不足で足踏みしている。思わぬかたちで巡ってきたチャンスをものにし、今度はチーム愛で勝利に貢献する。【前山慎治】

▼阪神は8回にロハスの押し出し死球で勝ち越しに成功し、そのまま逃げ切った。阪神の勝利打点が死球だったのは、19年6月21日西武戦(甲子園)の7回1死満塁で、梅野がヒースから死球を受けて決勝点を挙げて以来、2シーズンぶり。

▽阪神井上ヘッドコーチ(ロハスとマルテの外国人枠について)「チームとしては良い悩み。欲を言えばマルテも1軍にいてほしいし、ロハスもこれだけ頑張っている。ロハスも頑張っているから連勝につながっている。そこは評価したい」

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