無得点地獄は抜けても、未勝利地獄は続く。日本ハムはオリックス14回戦(ほっともっと神戸)に競り負け、1分けを挟んで3連敗となった。3回にチーム31イニングぶりの得点で一時同点としたが、勝利は遠かった。またも後半戦初白星を逃して借金は今季最多タイの「15」に逆戻り。敗れれば自力優勝の可能性が消滅する19日同戦は、金メダリスト伊藤大海投手(23)が先発予定。肝っ玉ルーキーよ、チームの危機を救ってくれ!

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雨が降る敗戦後の神戸で、栗山監督は声を絞り出した。「あれだけチャンスをものに出来ないというのは…。もう1回しっかりとみんなで野球を考えながらやっていきます」。最大の好機は1点を追う7回だった。この日、組み替えた打線の“目玉”だった1番西川、2番近藤が四球と安打で出塁して無死一、二塁。3番野村のところで“ピンチバンター”杉谷を送ったが犠打失敗(記録は捕邪飛)。さらに、4番起用の王柏融に代打大田も中飛に倒れ、5番浅間は見逃し三振。勝負どころの采配もはまらず、8回に吉田正の19号2ランでとどめを刺された。

新打線は爆発しきらなかった。初対戦でデータの少ないオリックスの先発スパークマンに対して、出塁率と対応力の高い西川と近藤を1、2番で起用。打線全体で「簡単にアウトにならない」「失投を捉える」という狙いを持って臨み、3者凡退は1イニングだけだったが、2得点で10残塁。3回にチーム31イニングぶりの得点をもたらしたのは7回の好機で代打を送られた王柏融。連続無得点イニングが続く中でも「自分でコントロールできない結果ではなく、今できることに集中して打席に入った結果」と、待望の得点をもたらしても、勝利には結び付かなかった。

後半戦は1分けを挟んで3連敗スタートとなり、借金も今季ワーストタイの「15」に逆戻りした。敗れれば自力優勝の可能性が消滅する19日オリックス戦は、東京五輪帰りのルーキー伊藤が先発する。17日に先発予定が雨天中止となり、2日スライドしての先発に「雨で流れた時の大海はダメだなと思われないように、しっかり明日、まず投げたいなと思います」。あまり重荷は背負わせたくないが、肝っ玉新人に悪い流れを全て止めてもらいたい。【木下大輔】