広島森下暢仁投手(24)が5回4失点で降板し、後半戦初勝利はお預けとなった。自己ワーストタイの6四球と制球を乱し、2アーチを浴びるなどして、クオリティースタート(QS、6回以上、自責3以下)は12試合連続でストップ。勝利投手の権利を持って降板したが、3番手島内が逆転を許し、チームの連勝は4で止まった。DeNAと同率の5位で、再び最下位に転落した。

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5回を投げ終えた森下は、うつむきながらベンチに向かった。直球の最速は155キロを計測するも、制球に苦しみ自己ワーストタイの6四球。プロ初の2試合連続の複数被弾を許し、5回6安打4失点。東京五輪決勝の米国戦で先発し、5回無失点の好投で金メダルを獲得して以来の横浜だったが、あの時の笑顔はなかった。

「全球種のレベルが低い。先制(点)もそうですけど、自分がしっかり投げ切れてなくてホームランが出てしまった。チームに迷惑をかけて申し訳ないです」

終始、不安定な投球が続いた。初回、先頭の桑原を四球で出塁させると、2死三塁から東京五輪決勝では2打数無安打に封じたオースティンに中前打を浴び、先制を許した。

味方に援護点をもらい、5点リードの4回には、ソトに左中間越えの三塁打。その直後にルーキー牧に初球の甘いカットボールを捉えられ、左越えの2ランを浴びた。5回は先頭の佐野に、外角153キロ速球を左翼ポール際に運ばれた。会沢とは昨年7月31日以来久々のバッテリーを組んだが、「アツさんの構えたところに投げきれなかった」と悔やんだ。

本来の姿には、ほど遠かった。武器の1つのカーブがゾーンに決まらず、2回先頭のソトへは珍しく抜け球となり、頭部付近へ大きく外れた。逆球も目立ち、試行錯誤を重ねるも、立て直せず。佐々岡監督は「先頭の入りから四球と、珍しいこと。調子が悪かったんでしょうね。こういう姿はあまり見ることない。森下も人間ではあるけど。次にはしっかり調整してもらうしかない」と期待した。

これで12試合続いていたQSも止まった。降板後にはベンチで鈴木誠から「研究もされているし、その上を越えていかないといけない」と声をかけてもらったという。「チームが良い流れで来ていた中でこんな投球をしてしまった。これが今の実力なので、しっかり自分と向き合って。(次戦は)しっかり入っていけるようにと思っています」と切り替えた。

8月25日に誕生日を迎えた右腕。次こそ自らの快投で、24歳初勝利をもぎ取ってみせる。【古財稜明】

▽広島島内(2点リードの7回に3失点してプロ初黒星)「自分の投球ができた中で、自分の球を打たれたので悔しい。次は勝利につながる投球をしたい」

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