日本ハム石井一成内野手(27)が、今季初の4連勝に貢献した。

オリックス戦(札幌ドーム)に「8番遊撃」でフル出場。2回の右翼フェンス直撃の適時三塁打から、安打を重ね今季初の4安打、キャリア最多4打点をマークした。本塁打を残してサイクル安打に王手をかける猛打。連日の“首位いじめ”でチームは今季最多12得点を奪った。1・5ゲーム差で5位西武の背中を追いかける。

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「恐怖の8番」が、鋭いまなざしを放った。2回2死一塁。石井が、追い込まれながら冷静にスライダー129キロを捉えた。打球は伸びて、右翼フェンス直撃の適時三塁打。「しっかり自分のスイングをすることが、結果に結び付いている。1打席目から、いいアプローチが出来て勢いに乗れた」とギアを上げる一打になった。

偉業達成まで、あと1本の奮闘を見せた。3回には左前適時打、7回には右翼フェンス直撃の適時二塁打で、本塁打を残してサイクル安打に王手。8回2死一、二塁で迎えた最終5打席目。三塁側ベンチでは固唾(かたず)をのんでチームメートが見守っていた。「ちょっと狙いましたけど、無理でした」と苦笑い。結果は右前適時打も「タイムリーになって良かった」と納得した。

有言実行の4安打を刻んだ。17年以来で今季初の4安打、プロ5年目でキャリア最多4打点と大爆発。8月4日のエキシビションマッチDeNA戦で4安打を放ち、あと三塁打でサイクル安打達成だった。ヒーローインタビューでは「シーズン中に打ちます」とファンに宣言。約1カ月後、見事に実現させ「今日は出来過ぎです」と笑った。

チームは前日までの3連勝全てで先取点を挙げており、この日も吉兆となった。試合前には「初回から先制点を取るぞ」とチーム内で共有。栗山監督は「左投手でも(左打者の)浅間とピン(石井の愛称)が、やってくれると勝ちやすくなる」と7年目でプロ最多4安打の浅間もたたえた。

今季最多12得点の大勝。遠かった5位西武の背中まで、1・5ゲーム差に迫った。最下位からの巻き返しへ、伏兵の力なくしては戦えない。【田中彩友美】