阪神佐藤輝明内野手(22)に光が見えない。10点ビハインドの9回、ヤクルト石山の高め150キロ直球に空振りし、6回の第1打席から2打席連続の空振り三振に終わった。7日のヤクルト戦(甲子園)から2試合連続で欠場。3試合ぶりの出番は長いトンネルの続きだった。

「三振は自分の技術不足」と常々言ってきた。これで今季151個目。97年桧山の150を抜いて球団では歴代3位、日本人選手では最多だ。自己ワーストをさらに更新する35打席連続無安打。出口が見えない。

この日はプロで初めて守備から途中出場した。3点ビハインドの6回から右翼に就いた。「ライト 佐藤輝明」とコールされると、スタンドからは大きな拍手。不振の中でも期待は変わらない。身に染みて感じているのは、他でもない本人だろう。

矢野監督は試合後、佐藤輝の今後の起用について「これから考える」と話すにとどめた。これまでも首脳陣は身ぶり手ぶりで指導し、佐藤輝も早出特打を行うなど、浮上の糸口を探し続けてきた。決して無策ではない。この日の試合前にはルーティンの「置きティー」で振り込み、フリー打撃では49スイングで柵越え10本。練習で響く快音が、試合ではなかなか出ない。

ここまで23本塁打を放ち、球団新人記録を塗り替えるなど活躍を見せてきたドラフト1位ルーキーが、分厚く大きい壁にぶつかっている。【中野椋】

▼ルーキー佐藤輝が2三振を喫し、今季の三振が151。シーズンの最多三振は93年ブライアント(近鉄)の204三振だが、阪神の日本人打者では97年桧山の150三振を抜くワースト記録。なお、外国人も含めた球団最多は14年ゴメスの166三振。

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