完敗だった。巨人が中日に先制、中押し、ダメ押しと完璧に試合を支配された。今季初の5連敗、10失点で今季8度目の2ケタ失点、8戦未勝利、6月24日以来の3位転落-。これでもかと突きつけられたマイナスの事実を、原辰徳監督(63)は「勝負の世界、いろんなことが起き得るんでね。しっかり受け止めて、明日からまたっていうところですね」と直視した。

前夜に見えた復調への薄明かりは、開始10秒でかすんだ。1回、先発高橋が京田に初球で先頭打者アーチを浴び、前日DeNA戦で9回2死三塁から3点差を追いついた勢いに水を差された。その後も2発を食らうなど立て直せず、5回途中5失点でKO。今季の中日戦で3戦3勝、防御率0・45だった左腕が踏ん張れずに主導権を逸した。

攻撃陣も中日大野雄の前に1得点と沈黙した。岡本和は8戦4発となる36号ソロと好調を持続するが、4打席で塁上に走者がいたのは1度だけ。今季初先発で1番起用の陽岱鋼が1安打を放つも、起爆剤とまではいかなかった。手は打てども決まり切らない現状に、元木ヘッドコーチは「やっぱり打線って難しいね」と胸の内を明かした。

11日も難敵が待つ。中日先発の柳には今季4戦2敗、計27回で4点しか奪えていない。残りは34試合、首位阪神とは3ゲーム差。直接対決を7試合も残しているが、悠長に構えられる状況ではなくなってきた。今こそ、巨人の踏ん張りどころだ。【浜本卓也】

▽巨人高橋(4回1/3を7安打5失点で4敗目)「昨日作った良い流れを自分の投球で悪い流れにしてしまい申し訳ないです」