中日のドラフト3位土田龍空内野手(18)が、プロ初適時打となる2点二塁打で今季初の2桁得点をもたらした。8回に二塁守備から出場し、8-1の9回2死一、二塁で迎えた打席。巨人4番手大江をクレバーに攻略した。

「初球のスライダーの軌道を頭に入れて、うまく捉えることができました。その前の球も詰まらされましたが、うまくファウルにできたので良かったです」

1ボール2ストライクと追い込まれたが、落ち着いて5球目スライダーを引っ張った。打球は一塁手の頭上を抜け、右翼線へ転がった。前夜の広島戦で今季ワースト12失点で大敗したばかり。新人の一振りで2点を加えて10得点に乗せた。

今夏の甲子園大会で4強と躍進した近江出身で、自身も1、2年の夏に聖地に立った。東京ドームは初めてで「テレビでしか見たことない場所だったので、そこで自分がプレーしているのが変な感じでした」と初々しかった。8回無死一塁の守備では、吉川の浅いフライをショートバウンドで捕って二塁封殺に仕留めた。言葉とは裏腹に攻守で冷静なプレーを見せた。

3日に新人野手では1軍に一番乗り。前日9日のプロ初安打に続き、存在感を高めている。与田監督も「若い力が(先輩たちに)負けないように頑張ってほしい」と称賛。18歳の新星がこの秋のカンフル剤になりそうな予感だ。【伊東大介】

◆土田龍空(つちだ・りゅうく)2002年(平14)12月30日、滋賀・米原市生まれ。米原小2年から米原野球スポーツ少年団で軟式野球を始める。米原中では硬式の湖北ボーイズでプレー。近江では1年夏から正遊撃手。甲子園は18年夏、19年夏と2年連続出場。50㍍6秒0の俊足と、高校通算30本塁打のパワーも兼ね備えた堅守の遊撃手として注目された。179㌢、77㌔。右投げ左打ち。