西武栗山巧外野手(38)が、執念の同点打を含む2打点の活躍で、今季18度目の引き分けに持ち込んだ。

1点を追う8回無死二塁。日本ハム井口の初球を右前にはじき返し「何とか1本ほしい、何とかしたいという一振りでした」と振り返った。

9月4日楽天戦で史上54人目、球団生え抜きでは初の通算2000安打を達成。この試合前には、名球会ブレザー授与式と連盟表彰が行われた。入団2年目のオフから自主トレをともにした元ドジャースの野茂英雄氏から憧れの濃紺のジャケットを授与され、家族から花束を受け取った。そんな負けられない試合で、結果を残した。

“名球会の証し”を着込んだ高卒20年目のベテランは「野茂さんに名球会のブレザーを着させていただくのは、僕の夢の1つでもありましたので。ほんとに夢がかなったような…」とかみしめた。野茂氏も「練習もまじめに取り組みますし、身体に力がありました。お互い常識が合い、僕が話すことを理解してくれますし、栗山選手が話してくれることも理解できる。年は離れていますが、いい関係だと思います。1年1日でも長く野球をやってほしい」と“教え子”を祝福した。

栗山は野茂氏とのトレーニングで、その練習姿勢に「とにかくすごい。それを肌で感じさせてもらい、当時の僕からしたら脳天突き抜けるくらいの衝撃」を受けたという。14年からは、お互いが小学生の軟式野球選抜チームを結成し、兵庫で「NOMO KURIYAMA ALL STAR GAME」を開催している。

2000安打到達後も地道にヒットを積み重ね、この日の適時打で2009本まで伸ばした。次なる目標を問われると「ファンのみなさんに期待される中で、その期待通りの結果を出す。それが最高の目標なんで」とキッパリ。今までも、そしてこれからも-。目の前の1本を積み上げていく。【鈴木正章】

▽西武本田(3回3失点で降板)「チームに申し訳ない、それだけです。調子がどうこうではなく打者に向かっていく攻めの投球ができませんでした。今日は自分の良くないところがすべて出てしまいました」

▽西武辻監督(8回の栗山の同点打に)「やっぱり状況に応じたバッティングをしてくれるのが栗山。見事なタイムリーでした」