ソフトバンクが首位ロッテに痛すぎる連敗を喫した。4連敗で今季最多の借金3に膨らみ、首位とのゲーム差も最大の8・5にまで開いた。リーグ連覇が遠のく1敗に、工藤公康監督(58)は「選手には、結果は意識しないで、精いっぱいやってくれればいいと伝えている。勝敗に関してはぼく自身の責任と思っています」と神妙に話した。

救援陣が踏ん張れなかった。1点リードの6回に3番手の板東が同点に追い付かれ、7回には4番手の甲斐野が決勝点を奪われた。今季は抑えの森が4月末に左肘痛で離脱。中継ぎエースのモイネロも、五輪予選の出場や左手首の違和感などで不在の期間が長かった。若手投手らがここまで奮闘してきたが、終盤で競り負けた試合も少なくはなかった。この日、モイネロが1軍登録され、先週復帰した抑えの森とは4カ月ぶりに1軍そろい踏みとなったが、チームの悪い流れを断ち切る展開にはできなかった。

この日は、チームのコンディショニング担当を務めた川村隆史さんが、クモ膜下出血のため55歳で急逝してからちょうど1年の命日だった。ベンチには川村さんのユニホームを掲げ、工藤監督も「川村くんが安心できるように、いい野球を届けなきゃと思います」と話していたが、勝利を届けることはできなかった。16日にもロッテに優勝マジック点灯の可能性があり、なんとしても食い止めなければならない。【山本大地】

▽ソフトバンク・デスパイネ(4回に一時同点の3号ソロ)「フルカウントからフォークボールをとらえることが出来たよ。ビハインドの場面で、なんとかチームの力になろうと打席に入った。自分のスイングができて良かったよ。なかなかチームが乗れていない状況だけど、勝つために力になっていい流れにもっていきたいね」

▽ソフトバンク岩崎(右肘の張りから復帰後初登板で1回1安打無失点)「自分の調子、状態は関係なくどんな場面や状況でも投げていくしかない。無失点でベンチに帰ってくることがチームのためになると思うので、明日からもチームのために全力で頑張りたい」

▽ソフトバンク今宮(4回に一時勝ち越しの右前打)「チャンスだったので、勝ち越しをという思いだけでした。追い込まれてしまったが、カットボールになんとか食らいついていきました。勝ち越しのタイムリーとなって良かったです。チーム一丸となって勝てるように戦っていくだけです」