阪神が10月11日に開かれるドラフト会議で八戸工大一(青森)の黒田将矢投手(3年)を指名候補にリストアップしていることが17日、分かった。隠し玉的存在ながら、188センチの長身右腕で最速149キロの直球を誇る。高いリリースポイントから、スライダー、カーブ、フォークの変化球を制球よく投げ込む。

今夏は青森大会準決勝で青森山田に敗退し、甲子園出場の経験なく3年間を終えた。阪神は地区担当スカウトだけでなく、球団幹部も力量を把握し、熱心に調査を続けている。黒田本人も9日にプロ志望届を提出し、プロでの次のステージを望んでいる。小園健太投手(市和歌山)、森木大智投手(高知)、風間球打投手(ノースアジア大明桜)、達孝太投手(天理)と今年の高校ドラフト候補は豊作だが、黒田も素材は一級品で伸びしろも大きい。

2年夏は142キロだった球速が、3年夏には149キロに増した。徹底した走り込みでの下半身強化を続けた。青森出身で地元自慢のおいしい米で食育も行い、体重も1年の時の60キロ台から80キロにまでなった。まだまだ細めの印象で、プロでさらに鍛えれば、本人も目標としている150キロもクリアできるはずだ。黒田は同校出身の5年目右腕ロッテ種市に憧れている。

首位を走る阪神は今季高卒2年目の西純、及川がプロ初勝利を飾るなど、若手投手も台頭しつつある。将来性豊かな「むつの剛腕」もタテジマのユニホームを着ることになれば、大きく育つ可能性がある。

◆阪神今秋ドラフト戦略 高知・森木は14日、市和歌山・小園は16日に面談を行った。夏の甲子園ではノースアジア大明桜・風間らを視察。最速150キロを超す超高校級右腕たちに熱い視線を送っている。また、年間を通して先発ローテーションを守る左腕は伊藤将だけで、先発左腕も今オフの重要な補強ポイント。西日本工大の150キロ左腕、隅田知一郎投手(ちひろ、4年=波佐見)、最速152キロ左腕の筑波大・佐藤隼輔投手(4年=仙台)、地元関学大の151キロ左腕黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)ら、即戦力左腕にも注目している。