楽天石井一久GM兼監督(48)に“恵みの雨”が降った。

18日、ソフトバンク戦(楽天生命パーク)が悪天候のため中止。前日も休養日で選手にとっては貴重な連休となったが、指揮官は16、17日と連日開催されたスカウト会議に参加していた。「スカウトの話も聞くことができました。昨日の話を踏まえて、映像室に入って、いろんなジャッジやもう1度呼び起こす日にしようかなと思います」と70から80人程度にまとめた指名候補選手の映像チェックに時間を充てた。10月11日のドラフト会議まで1カ月を切った。「回数重ねることでその選手の選手像だったりが見えてくる」と時間の許す限り“金の卵”の発掘にいそしむ。

「GM兼監督」として現場指揮からフロント業務まで、すべての責任を負う。シーズンは残り29試合。気の抜けない試合が連日こなしながら、中長期的な動きも両立させる。「忙しいですね…。頭の切り替えはちゃんとしないとなと思います」と本音も漏れる。プロとアマチュアの感覚的なレベル差を埋めるため、試合前にはプロ野球の映像を見て、目を、頭を慣らす。

「イーグルスに何か還元できることを作っていきたい。(今の立場に)長くしがみつく気はない。将来、柱になってくれたり、チームの中でそういう選手が1人でも多く入ってくれればいい。入った後も育っていけるようなシステム、人材は多くしていきたい」。常勝軍団形成へ、時間は惜しまない。【桑原幹久】