ロッテ2軍が22日、イースタン・リーグで14年以来7年ぶり、通算11度目の優勝を決めた。

この日は1回裏にNPB新記録となる1イニング17得点をマーク。58勝38敗6分けの貯金20になり、7試合を残しての優勝となった。日本一をかけて、10月9日のファーム日本選手権(サンマリン宮崎)に挑む。

鳥越裕介2軍監督(50)の就任1年目に、開幕4戦目以降に破竹の14連勝をマークし、スタートダッシュを飾った。5月中旬から6月末まで負けが込んだものの、再び勢いを増し、21日時点で2位日本ハムとは8ゲーム差がついていた。

森遼大朗投手(22)が9勝を挙げ、チームを引っ張った。高卒で育成4年目。美馬から教わったフォークで幅が広がり、7月20日の日本ハム戦(鎌ケ谷)では炎天下で119球完封勝利を挙げるなど、先発右腕として力量を示した。

育成ドラフト4位の佐藤奨真投手(23=専大)も先発で投げ、6勝のうち2勝が完封勝利。左腕からの直球は130キロ台が多いものの、奥行きのある投球でアウトを重ねた。またクローザー起用された同2位の小沼健太投手(23=BCリーグ茨城)は力強い直球で17セーブを挙げ、すでに最多セーブのタイトルが確定している。

1、2軍とも捕手陣に故障者が相次ぎ、育成2年目を迎えた植田将太捕手(23)しかイースタン公式戦でマスクをかぶれない時期もあった。植田はその中で経験を重ね、8月末には支配下選手登録された。バッテリーは特に、育成選手たちの奮闘が光った。

また開幕時点では2軍にいた佐々木朗希投手(19)はすでに1軍の先発として貴重な戦力に。東妻勇輔投手(25)も6月中旬に1軍昇格し、その後は中継ぎとして存在感を見せている。

野手では選手層が厚くなり、井上晴哉内野手(32)福田秀平外野手(32)の実績組から開幕2軍スタートになった。ただ、2人とも通年でコンディションを維持できず、悔しい1年になっている。

平沢大河内野手(23)福田光輝内野手(23)西巻賢二内野手(22)の3人が、打席数でトップ3になる。特に平沢と福田光は開幕直前まで1軍でアピールしたが、その勢いで序盤の大型連勝をけん引した。それぞれ好不調の波を乗り越え、1軍での貢献を目指す。

藤原恭大外野手(21)と山口航輝外野手(21)が1軍の開幕スタメンに名を連ねるも、結果を残せず、それぞれ2軍再調整に。下半身主導の打撃を磨き直し、今は再び優勝を目指す1軍主力として活躍する。

佐藤都志也捕手(23)高部瑛斗外野手(23)はともに大卒2年目で、すでに2軍では安定して高い数字を出している。2軍の優勝にも貢献し、次は1軍での開花が待たれる。

ルーキーも楽しみだ。育成ドラフト3位の山本大斗外野手(19=開星)が3月20日の開幕戦DeNA戦(横須賀)がプロ初打席の初球を本塁打にすると、ドラフト5位の西川僚祐外野手(19=東海大相模)も負けじと4月8日の巨人戦(ジャイアンツ)でプロ1号。現在は山本斗が4発、西川が3発。そろって中軸で起用される試合もあり、将来が期待される。【ロッテ担当=金子真仁】