阪神小野寺暖外野手(23)が打撃4冠へ向けてラストスパートをかけた。

ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)に「4番右翼」でフル出場し、4打数3安打。いずれも中堅から右方向と堅実な打撃を見せた。平田勝男2軍監督(62)は「今日はアウトのセンターライナーも含めて全部センターから右方向でしょ。彼らしい」とシュアな打撃を称賛。4番といえど、大振りせずに結果を出した。

2回無死ではカウント2-2と追い込まれながら広島矢崎拓也投手(26)の外角のフォークに体を開かずこらえ、中前にはじき返した。6回1死では薮田和樹投手(29)の外角直球を逆らわずに中堅の右寄りへ、マルチ安打。9回無死一塁では、カウント2-2から外角へ逃げる中崎翔太投手(29)のスライダーをうまく引き付け、右前にはじき返した。

猛打賞でリーグトップの打率を3割1分8厘に伸ばし、2位に2分以上の差をつける。出塁率3割9分3厘もトップで、84安打はトップに4本差、44打点もあと6で1位に追いつく。「(成績は)意識して試合に臨んでいる。こうやって1番を取れる位置まで来ているので、最後までそれを意識してやっていきたい」と4部門でのタイトルへ意欲を見せた。

ただその2軍タイトルで満足するわけにはいかない。「ファームでは今首位打者ですけど、まだまだ自分の能力では全然活躍できていない。すべてが課題」。4度1軍昇格されたがいずれも十分な結果を残せず、定着には至らなかった。一方で後半戦から1軍に昇格した島田海吏外野手(25)は今や欠かせない戦力の1人となっている。「2軍で活躍した選手が1軍で活躍している選手もいるので、負けたくないっていう気持ちは大きいです」。今季支配下選手登録をもぎ取ったハングリー精神は、1軍定着をロックオンしている。【前山慎治】