中日松葉貴大投手(31)が初回打球が首付近を直撃するアクシデントも乗り越え、5回4安打無失点で自身7年ぶりの4連勝を飾った。

「当たったときは痛くて動けなかったのですが、あんなところでマウンドを降りるわけにはいかない。いけるとこまで行く気持ちでした」と不屈の精神で今季6勝目を手にした。

試合開始直後、場内は騒然となった。1回1死。2番丸の放った強烈な投手ライナーが松葉を襲う。グラブを差し出し、捕球を試みたが、打球は左首付近を直撃した(記録は強襲安打)。そのままマウンドにうずくまり、動けない。ベンチからトレーナーと首脳陣がかけつけた。その後、自ら立ち上がり、ベンチに下がって状態を確認すると再びマウンドに戻ってきた。

ここから持ち味の投球が展開された。坂本を中飛、岡本を144キロ直球で空振り三振。2回以降もピンチの連続だったが、バックの好守にも助けられ5回まで「0」を並べて救援陣にバトンを渡した。

9月はこれで5戦4勝。「求められているのはゲームを作ること。中継ぎと野手のサポートで勝ちがついている。自分の力だけじゃないと思っています」。絶好調の左腕は謙虚に締めくくった。【安藤宏樹】

▽中日与田監督(初回、打球が当たるアクシデントも5回無失点で6勝目の松葉に)「ビックリした。痛みはあったと思う。(その後は)立ち上がりからしっかりリズムを作って。9月に入ってからずっといい」

▽中日木下拓(5回に2点目の適時打)「福留さんと周平がすごくいい形を作ってくれたので、死ぬ気でかえそうと思っていました」