11日のドラフト会議で1位候補に挙がる西日本工大(福岡)の最速150キロ左腕、隅田知一郎(ちひろ)投手(4年=波佐見)が、秋季リーグ最終戦に先発し7回を7安打0封、11奪三振の好投で秋2勝目となる大学通算14勝目を飾った。

雲1つない秋晴れの筑豊緑地で晴れ晴れとしたラスト登板だった。すでに日本文理大の優勝が決定。だが“消化試合”でも強敵相手に全開だった。114球で交代も最速147キロの直球にツーシーム、チェンジアップを軸に抜群の制球で要所を締め、有終を飾った。

ソフトバンク、中日、オリックス、阪神など9球団11人のスカウトが視察する前で躍動した。「4年間の集大成のチャンスをもらったので、絶対勝つ気持ちで臨んだ。やってきたことは出せました」と声を弾ませた。

ドラフト会議を控えた心境をペーパー試験に例えた。「(点数の)手応えがあったテストを早く返してほしい感じ」と自信もチラリ。意中の球団を問われ「12球団オーケー。どこでも活躍する覚悟です」と意気込む。目標の選手はDeNA今永で「日本を代表する左腕。ああいう投手になりたい」と目を輝かせた。

中日三瀬スカウトは「1位候補に絶対挙がってくる。変化球の精度はプロと比較しても遜色ない。プロですぐ投げられそうな雰囲気がある」と絶賛。ソフトバンク岩井スカウトも「キレで勝負する若い頃の和田(ソフトバンク)タイプ。1位の可能性は高い」と高評価だ。ドラフト会議は1週間後。大学屈指の左腕は果たして、どの球団と結ばれるのか。【菊川光一】

◆隅田知一郎(すみだ・ちひろ)1999年(平11)8月20日、長崎県大村市生まれ。西大村小2で軟式野球を始める。西大村中-波佐見。高3で夏甲子園出場。西日本工大では1年春からベンチ入り。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、スプリットと多彩。50メートル走6秒5。遠投120メートル。177センチ、76キロ。左投げ左打ち。