ソフトバンクが12年以来9年ぶりの7連敗を喫した。借金5は工藤公康監督(58)の就任後では初めて。2位ロッテが敗れたため、最短でのV完全消滅は10日まで延びたが、風前のともしびであることは変わりない。工藤監督は「チームにとっても、投げた投手にとっても、ベンチで見ていた選手にとっても、必ずこの悔しさがバネになって、必ず巻き返してくれると思っています」と選手の奮起に期待した。

今季を象徴するような「負けパターン」だった。西武に3回に1点を奪われ、6試合連続で先制点を献上。打線は再三の好機を生かせず、6回まで無得点だった。7回に牧原大のソロで26イニングぶりの得点を挙げ、8回は中村晃のソロで同点に追いついたが、救援陣が粘れなかった。

モイネロ、岩崎が不在の中、同点の8回を任されたのは古谷。無死から四球と死球で走者をため、山田にバスターでバントシフトを突かされて適時打を浴びた。指揮官は「シフトは打たれたら仕方ないという中でやらせているので、それはもう、こちらの責任です。やられました」。9試合無失点だった若き左腕の今季初失点であっさり勝ち越されると、その後も守備のミスなどで3点を追加され、勝負ありだった。

どん底の状態で、9日からは首位オリックスと本拠地で2連戦。3位楽天と5・5ゲーム差に広がり、クライマックスシリーズ(CS)進出もかすむ。工藤監督は「ゆっくりしている暇はないので。しっかり切り替えて」。なんとか意地を見せたい。【山本大地】