今秋ドラフト上位候補の最速152キロ左腕、創価大・鈴木勇斗投手(4年=鹿屋中央)がドラフト会議前最後の先発で、粘りの白星を挙げた。今秋リーグ戦4勝目をマークした。

流通経大戦に先発し7回1/3を被安打2の1失点と試合をつくり、4-1で勝利。秋季リーグ戦で開幕7連勝の相手に初めて土をつけ、優勝争いに食らいついた。自己採点は「78点。大事な試合で特に緊張していたけど、気持ちをうまく力に変えることができた」と笑顔を見せた。

3球団10人のスカウトが最終チェックする前で、本調子でなく8四球と苦しみながら新しい投球スタイルを見せた。最速は140キロ台中盤に抑え、三振は3つのみ。昨秋の関東地区大学野球選手権で三振の山を築き、速球派として一躍注目を集めた。常に100%で投球するスタイルだったが、エースとなった今年は大人の投球にチェンジ。「今年は球数を少なく投げることが大事だと思っている。三振を取りたい場面でギアを上げている」という。堀内尊法監督は「(調子が)悪いなりによく頑張った。さすがエースです」と評した。

大学生左腕が豊富なドラフト候補の中でも、実戦向きな投球術は光る。今春リーグは、チームの新型コロナウイルスの集団感染により途中で辞退。アピールする機会は少なかったが、12球団から調査書が届いており「評価していただけてうれしい。当日が楽しみです」と吉報を待つ。【保坂恭子】