日本ハムは10日ロッテ戦(札幌ドーム)で、9回2死から、クローザーの杉浦稔大投手(29)が痛恨の同点2ランを浴びて、今季初の同一カード3連勝を逃した。杉浦はロッテ戦3度目の救援失敗。4月21日と同様、元日本ハムのロッテ岡大海外野手(30)に1発を許した。長かったシーズンも残り15試合。12日から始まる10連戦へ向け、もったいない引き分けとなった。

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まるで、悪夢がフラッシュバックしたかのようだった。日本ハムは2点リードで迎えた9回。抑えの杉浦が、本拠地のマウンドに上がった。2死一塁で、打席にはロッテ岡。カウント1ボール2ストライクと追い込んでからの4球目だった。スライダーが、ど真ん中に入ってしまった。振り抜いた岡の打球は、鋭さを保ったまま、左翼席へ突き刺さった。今季初の同一カード3連勝は、あとストライク1つというところで、無常に散った。

杉浦は、ロッテ戦3度目の救援失敗。4月21日の敵地でも、1点リードの9回2死から、岡にサヨナラ2ランをバックスクリーンへ運ばれていた。栗山監督は「いろんなことが、あるので。現場として、考えることは考えますけど。こちらとしたら、杉浦を出しているので」。改めて、1球の怖さを突きつけられた。

この日は、ドラマ「北の国から」の放映40周年を記念したイベントの最終日だった。チームが北海道に本拠地移転後、攻撃のチャンステーマに同ドラマのテーマ曲を使用するなど縁がある。栗山監督にとっても「生きる道しるべとして、今でも大切なもの」と、北海道移住を決めた大切な作品だった。試合前には脚本家の倉本聰氏や、俳優の中嶋朋子が駆けつけ、緊急事態宣言が明け客足が戻ってきた札幌ドームを盛り上げただけに、悔いが残る今季18度目の引き分けとなった。

長かったシーズンも、残り15試合。12日からは最後のヤマ場となる10連戦が始まる。指揮官は「選手たちも体がしんどいと思うけど、1つでもヒリヒリした試合を勝ちに行った状態でやらないと、うまくはならない。必死になって、やっていきます」と気を引き締めた。【中島宙恵】