今季で現役生活にピリオドを打つ阪神岩田稔投手(37)がシーズン最終戦となった中日戦終了後に甲子園で引退セレモニーを行い、およそ5分間のスピーチをした。

涙ながらに「家族のみんなありがとう」と感謝の思いを口にした。家族との思い出を述べたときは涙で声を詰まらせるなど、酸いも甘いも経験した16年間の思いを込めた。

岩田稔の引退スピーチ全文は以下の通り

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今日はこのような盛大な引退セレモニーをご用意していただき、本当にありがとうございます。タイガース関係のみなさま、裏方のスタッフのみなさま、監督、コーチ、トレーナーのみなさん、本当にありがとうございました。

私は2005年にタイガースの方で希望枠という形で(入団して)はや16年が経ちました。その中で入団会見の時に「希望の星になりたい、1型糖尿病患者の希望の星になりたい」という思いを胸に頑張っていました。それがようやく形になったのが3年目が終わったあと、4年目からです。そこで1型糖尿病患者を(試合に)招待して、頑張っている姿を見せられるように、日々努力してきました。その患者に会ったときに、最初はやっぱり怖がっている顔をしているんですけど、たくさん話すうちにすごい笑顔になっていくのがとてもうれしくて、こういう活動をしていて間違いじゃなかったなとその時に思いました。それがもう10年、12年続きました。

タイガースの選手として16年プレーさせていただきましたが、今年でユニホームを脱ぐことになりました。たくさんの声援をくれたタイガースファンのみなさま、本当にありがとうございます。

僕1人ではここまで長くやっていけるとは思っていませんでした。やはり家族の存在があったからです。

試合で抑えたときは当然のように、にこにこしながら、笑いながら「良かったな」と子どもからも言ってもらえたり、打たれて負けてへこんで帰った時も笑顔で「また頑張ったらいいやん」という…(涙がこみ上げ)、という言葉に救われてここまで、やってこれました。家族のみんなありがとう。

そして、こうやって寒い中応援に来てくれたファンの方々も僕にとってはみんな「ビッグファミリー」です。本当に感謝しています。まだチームはCSが残っていて日本シリーズも可能性があるし、僕は行ってくれると信じています。日本シリーズに行ってもらえるようにみなさん熱い声援よろしくおねがいします。

本当に16年間熱い応援ありがとうございました。