中日の1軍コーチに就任した中村紀洋打撃コーチ(48)、森野将彦打撃コーチ(43)、大西崇之外野守備走塁コーチ(50)、西山秀二バッテリーコーチ(54)、片岡篤史2軍監督(52)、山井大介2軍投手コーチ(43)が2日、名古屋市内の球団事務所で会見した。

契約を終えた中村コーチには、立浪和義新監督(52)から特命が下った。2年目を終えた石川昂弥内野手(20)の育成役だ。「可能性は十分ある」と、右の大砲だった新コーチは和製4番育成に全力で取り組む。

「ノリの恩返し」が始まる。立浪新監督からのコーチ要請は「まさか」だったいう。浜松開誠館で高校生を指導していた通算404本塁打のアーチストに、7年ぶりにプロの世界に戻る機会が訪れた。選手として中日に入団した07年、自身の加入で代打に回った立浪は三塁を奪われる形になったにもかかわらず「すごく声をかけていただいた。尊敬しかなかった」と振り返る。恩人からのラブコールに「ありがとうございます」と即答した。

重大任務だ。打力強化はチームの最優先課題で「将来の4番候補」と新監督が位置づける石川昂の育成は急務。「石川を見てくれと言われて即答しました。日本を代表するバッターになれる素材。真剣にいかないと」と緊張気味に話した。

新監督の期待は大きい。「高校生を教えたり経験も重ねている。ドラフトも含めて右のバッターが多い。彼の打撃理論もよく知ってますし、教え方もうまい。技術面も含めて期待しています」。中村コーチの石川昂育成プロジェクトは、4日から始まる秋季キャンプで動き出す。【安藤宏樹】

 

○…立浪新体制で1軍投手部門を担当する落合英二ヘッド兼任と大塚晶文両コーチの秋季キャンプ参加は難しい状況だ。落合コーチは現在、2軍監督を務める韓国・サムスンがポストシーズンに入っているためで「年内は契約できないかもしれない」と立浪監督。大塚コーチも国際渉外担当として新外国人調査のために米国滞在が続いており、両コーチの着任は年明けとなりそうだ。

▽中日山井2軍投手コーチ「今までは自分のことばかりしてきた。選手を見ていく責任の重さを感じています」

▽中日森野1軍打撃コーチ(3年ぶり復帰)「身が引き締まる思い。(高橋)周平、京田というところにもいい形を作らせた上で結果が残せるようにしていきたい」

▽中日大西1軍外野守備走塁コーチ(中日のユニホームは現役だった05年以来)「よし、やってやろうという気持ちです。三塁ベースコーチは重要。(任されたら)勇気をもって頑張らないといけない」

▽中日西山1軍バッテリーコーチ(10年巨人コーチ以来の現場復帰)「(捕手は)外国人選手をどう使うかなど監督の意向を確認した上になるが、木下拓はベストナイン、ゴールデングラブをとれる選手だと思っている」