日本野球機構(NPB)は20日開幕の日本シリーズの開催概要を4日、発表した。コロナ禍の影響で当初の予定から1週間遅らせての開催。支配下選手への参稼報酬期間は30日までで、雨天中止や引き分けなどで12月に入ることを防ぐため、史上初のタイブレークなど特殊ルールが設けられた。

レギュラーシーズンとCSは9回打ち切りだが、第7戦まで延長12回、第8戦以降は延長無制限。ただ日程がずれ込み、3勝3敗など勝利数が並んだ場合の30日は延長無制限だが、3勝2敗など1差だと12回打ち切りとなる。この結果で勝敗が並ぶと、タイブレーク方式で日本一を決める。

「仕切り直し」のタイブレークになる。試合終了後20分のインターバルを取り、新たに出場選手登録、打順表を提出。直前の試合で交代していた選手も出場可能で、オーダーも組み替えられる。無死一、二塁から開始。先攻・後攻は直前の試合通りで、回数は無制限で勝負が決するまで。個人記録などは反映されない。

また、勝利数差が2以上あり、かつ30日以前の試合を開催しても一方が4勝に達しない場合、その時点で勝利数の多い方が日本一。30日予定の試合が、雨天などにより中止となった場合は勝利数の多い方が優勝、勝利数同数の場合はTQB(得失点率差)の優れている方となる。

日程通りに進めば第7戦は28日。30日は初戦から11日目となるが、過去のシリーズで11日間以上を要したのは3例だけ。そのうち今回のルールに当てはめ、タイブレーク実施を満たすのは61年の巨人-南海(巨人の4勝2敗、4度の雨天中止)しかない。希少な戦いが見られるか注目される。

○…DH制は2年ぶりにパ・リーグのホームゲーム限定で採用される。昨季はコロナ禍で過密日程になり、投手の故障リスク軽減のためソフトバンクが全戦DH制採用を提案。特例で承認された。全試合を午後6時開始のナイターで開催。ヤクルトは第3~5戦を東京ドーム、オリックスは第6、7戦をほっともっとフィールド神戸で行う。