セ・リーグ王者のヤクルトが、「前のめり」に攻めて初戦に勝った。高津監督は「萎縮したプレーだけはしてほしくなかった。どんどんスイングして、腕を振っていくところはできたと思う」と言った。

CSファイナルステージを戦う極意は、ミーティングの言葉に詰まっていた。全体練習前の本拠地グラウンド。普段は神宮外苑で練習する投手陣も集結し、全員で約3分間の青空ミーティングが行われた。指揮官は角界を例えに攻める姿勢を説いた。

「僕たちはセ・リーグでチャンピオンになったけれども、決して横綱ではない。横綱というのはどっしり構えて、相手の力を受け止めて前にいく。かかと体重でも前にいくのが横綱。でも僕らは、常に前のめりで、積極的にチャレンジ精神を持って戦ってきた。これは巨人相手も一緒。絶対に受け身になってはダメ」

選手は、立ち合いで巨人を押し込んだ。初回。先頭塩見が左中間を破る二塁打。続く青木は投ゴロを放ち進塁打とした。1死三塁。村上の遊飛で三塁走者の塩見が“神走塁”を見せた。落球に備えて塁間にいたが、遊撃手坂本の捕球体勢が悪いと見るやすぐに帰塁。タッチアップで、足から滑り込みながら手袋を持った左手でホームにタッチした。塩見は「なんとかまず1点と思って、積極的な走塁で1点をもぎ取れたことはよかった」と振り返った。

指揮官の「絶対できる。大丈夫だから。君らは絶対やると僕らは信じている」という熱い思いを、全員が共有し、「前のめり」で戦った。【保坂恭子】