後輩に負けてはいられない。オリックスT-岡田外野手(33)が17日、履正社(大阪)の後輩、ヤクルト山田哲人内野手(29)の前での大暴れをファンに約束した。セ・リーグ王者の中心打者に対し「ずっとレギュラーですごい成績も残しているので、負けずにこのシリーズは頑張りたいですね」と日本シリーズへの決意を新たにした。

高校3年の山田が10年夏の甲子園出場を決めた際、オリックスの新主砲に成長していたT-岡田は「甲子園では自信を持ってのびのび頑張れ」と激励。山田らの快進撃を、胸をどきどきさせながら見守っていた。同年秋、T-岡田は初の本塁打王に輝き、山田はドラフト1位でヤクルトへ。11年後、頂上決戦を迎えた。

2人を育てた岡田龍生監督(60)が来春で退任し、東洋大姫路(兵庫)の監督に着任。日本シリーズの本拠地試合に来場する恩師に「どこに行かれても恩師であることに変わりはない。良い姿を見せたい」と意識する。

今年のヤクルトとの交流戦では11打数4安打の打率3割6分4厘、1打点を残している。ただ「1戦目で放ってくるであろう奥川投手であったり、対戦のない投手が出てくると思う。良い入りをしたい」と語り、クライマックスシリーズファイナルステージ初戦の初回決勝打の再現が理想的だ。ヤクルト奥川は、19年の春夏甲子園で履正社が対戦した星稜(石川)のエース。後輩が夏の決勝で攻略した右腕を打ち崩し、山田に貫禄勝ちの快勝発進を狙う。【堀まどか】