ソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)が19日、宮崎秋季キャンプの視察を終えた。藤本新監督体制での約2週間を「かなり新鮮な気持ちで、特に若い選手たちがチャンス到来という感じの取り組みをしてくれているのが目に付きましたね」と満足そうに振り返った。

8年ぶりBクラスに終わった悔しさを誰よりも感じているのが王会長だろう。ただ、久々の本格的な秋季キャンプは実りあるものになっている。「若い選手たちが、自分のことを知ってくれている藤本監督が監督になったことで『よし』と思っている人が多いと思う」と、2軍監督、3軍監督を経て昇格した新指揮官の好影響を指摘した。

「特別チームアドバイザー」として迎えた初キャンプでもあった。これまで以上に積極的にグラウンドに立ち、選手たちにアドバイスを送った。この日もシート打撃後のミーティングで「まだまだ練習の延長線上くらいの意識の人がいる。試合と練習は違う。練習はあくまで準備で、試合は勝負。俺たちは勝負の世界で生きてるんだから」と熱弁し、プロの心構えを説いた。

チームの課題は世代交代だ。王会長は「チームの中の競争はすごく激しくなって、オフの過ごし方、来春とずいぶん選手たちの目の色が変わってくると思う。見る側も去年までよりワクワクするキャンプになるんじゃないかなと楽しみにしています」と早くも球春を心待ちにした。【山本大地】