助っ人コンビで決めた! ヤクルトが「SMBC日本シリーズ2021」第3戦で逆転勝ちを決めた。1点を追う7回2死一塁、ドミンゴ・サンタナ外野手(29)が右翼スタンドへ逆転2ランをたき込んだ。ホセ・オスナ内野手(28)は4回にチーム初安打となるフェンス最上部直撃の二塁打を放つなど、2人の助っ人がバットで貢献した。これで対戦成績を2勝1敗とし、“本拠地”東京ドームで1歩前に出た。

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サンタナが思いっきり振り抜いた。1点を追う7回2死一塁、2ボールから迎えた3球目。外角の131キロスライダーを捉えた。右中間最前列に運ぶ2ラン。再逆転となる1発に「逆転されてしまったが、ベンチが一体となってすぐに逆転するぞという雰囲気だった。自分自身も1本出ていなかったので、最高の場面で打つことができた」。サンタナの定番となったヒゲを触るポーズで喜びを表現した。

今季来日した助っ人。真面目でどちらかと言えば言葉数は少なめ。その寡黙さはプレーにも表れる。右翼の守備ではどんなに簡単な飛球も、両手でキャッチ。打撃では、投手のデータ分析に時間を惜しまない。研究熱心さで、日本人投手の特長を把握。試合に生かしている。日ごろの成果が出て、日本シリーズの大舞台で勝利。お立ち台では「最高な気持ち。とにかく、勝ったので最高です」と笑顔をはじけさせた。

ともに来日したオスナとは大の仲良し。陽気な性格のオスナとは、常に行動をともにし、本拠地神宮には、一緒に徒歩で“出勤”。お互いの打撃についてアドバイスし合ったり、対戦した投手の情報共有もしている。「オスナの活躍は1年を通して大きかった」と認める。戦友から刺激を受けて、力に変えてきた。

5回2死一塁の場面では、中前打で果敢に三塁を狙い、失策を誘ってホームイン。控えめな性格でも、貪欲に次の塁を狙い姿勢は欠かさない。「自分は常に全力でプレーするというのが持ち味」と満足そうにうなずいた。

これでオリックスに2勝1敗。連勝で1歩前に出た。20年ぶりの日本一へ向けて浮かれずに前へ突き進む。「マダ、オワッテナイ。アリガトウ」。お立ち台で決意を新たに、まだ次戦に備えた。【湯本勝大】