バースデー胴上げが現実味を帯びた。ヤクルトが破竹の3連勝で、20年ぶり6度目の日本一に王手をかけた。指揮官が勝利の瞬間にこぶしを突き上げる“高津ガッツポーズ”も、もはや恒例に。高津監督は「毎日接戦でちょっと疲れるんですけど、本当に競ったところでね、相手に1点を与えない、何とか1点を奪うというゲームが続けてできてるのかなと感じます」と充実感をにじませた。

4試合すべてが2点差以内。うち3試合は1点差という、まれに見る大接戦をリードしている。奥川、高橋といった若手からベテラン石川まで、幅広い年齢の投手陣がいずれもきっちりゲームメーク。助っ人外国人も大車輪の活躍で「年齢、先輩後輩、国籍、全く関係なく、一生懸命点を取りにいく。一生懸命1点を防ぎにいく、をみんなでやっている。ベンチの雰囲気を見てもらったら分かると思う」とチームワークの良さが目に見えて現れる。

第5戦が行われる25日は53歳の誕生日。勝てば60年大洋以来、61年ぶりとなる前年最下位からの日本一が決まる。「勝ちたいですね。勝つのみだと思います。全力で戦いたい」。3連勝を決めた直後のスタンドは「This Is Me」の音楽にのせて揺れるビニール傘が乱反射して輝いた。誕生日に日本一。できすぎた物語の完結まで、あと1勝だ。【鎌田良美】