ポスト誠也名乗り! 広島林晃汰内野手(21)が29日、マツダスタジアム内で契約更改交渉を行い、900万円増の1500万円でサインした。3年目の今季は2桁10本塁打を記録し、4番としても4試合に出場した。来季はポスティングで米大リーグ移籍が濃厚な鈴木誠也外野手が抜ける打線の中軸としての働きが期待される(金額は推定)。

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やや緊張した面持ちの林に、レギュラーとしての自覚が芽生えつつある。2・5倍の高評価に、会見上では中軸宣言が飛び出した。「クリーンアップを打たないといけないタイプだと思うので、そこを目指して頑張っていきたい。来年は(本塁打)20本打ちたい」。初めて契約更改後のテレビインタビューを受ける緊張感よりも、大幅アップの喜びよりも、来季への責任感の方が大きかった。

5月、巡ってきたチャンスをものにした。6月22日からは4戦連続で4番を任された。12年堂林以来となる高卒3年目での2桁本塁打と大砲の片りんを見せた。来季は鈴木誠の穴を埋める成長が期待される。「やっぱりチームで一番打つバッターになりたいので、そこ(4番)を目指してやっています」。移籍濃厚な主砲には、シーズン途中から試合前の打撃練習で同組となり、打撃道を学んだ。だからこそ「ポスト誠也」に名乗りを上げる。

4試合の経験で4番の重みを感じた。結果は17打数2安打。スポーツ紙の広島版では連日のように1面で大きく取り上げられることもあった。「チームの4番は大事な打順なんだなと思いましたし、本当に悔しかった。いつも朝、思い出すために置いています」。選ばれし者の宿命を受け入れるため、当日の新聞は今でも寮の部屋に置いている。

今年、ヤクルトの日本一に貢献した村上は1学年上と同世代だ。「本当にすごいと思いますし、自分もああいう選手にならないといけないと思います。もっと感情を出していきたい」。来季は若手の枠を破り、頼れる中軸へと進化を目指す。【前原淳】