バッターを凍らせるぜ！阪神が5日、アーロン・ウィルカーソン投手（32＝ドジャース3A）と来季の契約を締結したと発表した。

推定年俸65万ドル（約7150万円）で1年契約とみられる。背番号は「52」に決定。食品会社の冷凍食品部門で働いていた経験から「Freezer（フリーザー）」のニックネームを持つことが判明。今季マイナーで8勝を挙げており、矢野燿大監督（52）は先発ローテの一角として期待した。

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柔和な表情から早くも「神助っ人」の予感が漂う。今季ドジャース3Aで8勝を挙げたウィルカーソンと契約締結を発表。爽やかなギンガムチェックシャツを着こなした写真とともに、第一声を球団に届けた。

「阪神タイガースで新たな野球人生を始めることができて、非常に興奮しています。新しいチームメート、監督、コーチに会えることを今からとても楽しみにしていますし、タイガースを日本一にするために勝利に貢献したいと思います。私とタイガースを応援してくれるファンの皆さまに、来季日本でお会いできることを心待ちにしています」

顔つきはやさしげだが、マウンドに立てば、打者も凍らせる？投球に期待だ。18年に米トップス社が発行した野球カードで「Freezer（フリーザー）」のニックネームを持つことが紹介されていた。カンバーランド大では右肘のトミー・ジョン手術を受け、メジャーのドラフト指名漏れ。一時は食品会社の冷凍食品部門で夜間労働の日々を送った。独立リーグをへてメジャーデビューを果たし、異色の経歴から生まれた愛称だ。

相手打者をキンキンに凍らせる武器を持つ。矢野監督は、191センチのオーバーハンドから繰り出すカーブを評価。「配球的に大きい。メッセンジャーよりはカーブが小さいと思うんだけど、特長になる」と、NPB通算98勝のレジェンド助っ人と比較。「コントロールも安定してるし、計算の立つピッチャー。先発でしか考えていない」と先発ローテの一角として計算した。

阪神はパドレスと契約合意した守護神スアレスに加え、サンズ、エドワーズが退団。来季も助っ人8人体制を継続する方針。新守護神候補として、パイレーツのカイル・ケラー投手（28）をリストアップ。サンズに代わる野手の獲得も目指す。一足先に加入した「フリーザー」はハングリー精神が武器。虎の冷凍モンスターに期待だ。【中野椋】

◆アーロン・ウィルカーソン　1989年5月24日、米テキサス州生まれ。独立リーグから14年にレッドソックスと契約。16年ブルワーズ移籍、17年初昇格。昨オフに台湾・楽天と契約するも家族の事情により渡航できず今年3月に契約解除。その後ドジャース傘下3Aでプレーし23試合（先発19）で8勝5敗、防御率3・86。メジャー通算14試合（先発3）で1勝1敗、防御率6・88。マイナー通算は144試合（先発127）で55勝29敗、防御率3・23。家族は妻と3人の子ども。191センチ、95キロ。右投げ右打ち。