最強ボディーや! 阪神の育成を含む新人8選手が12日、甲子園で施設見学と体力測定に臨み、ドラフト1位の高知・森木大智投手(18)は外国人選手級の肉体であると判明した。体成分分析装置「InBody(インボディ)」で筋肉量やバランスなどから算出されるスコアで、基準の80点を上回る101点をマーク。チームでは助っ人や長距離砲がたたき出す100点超えの数値に周囲も仰天。最速154キロ右腕が、さっそくポテンシャルの高さを見せつけた。

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グレーのトレーニングウエアの下に、森木の胸筋がくっきり映った。154キロの剛球を生み出す肉体は、高校3年生ながらすでに一流の域。「InBody」と呼ばれる装置で体の成分を分析したところ、スコアがそれを証明した。80点が基準で筋肉量が多ければ高得点となる中、驚異の101点。仲野トレーナーは「100点超えは外国人選手であったり、うちでいったら陽川、江越…。高卒ということを考えればすごく高い」と目を丸くさせた。チームでは藤浪が90点台とされ、パドレスへ移籍したスアレスが110点台という。

助っ人級の数値と知った森木は「素直にうれしいですけど、けがをしないように可動域も上げていきながらです」と満足せず冷静にプロ入り後をにらんだ。夏の高知大会後から体脂肪率アップに取り組んでおり、現在は10・1%まで上昇。目標とするエンゼルス大谷のような張りのあるムチムチボディーへ、日々進化を重ねている。

ドラ1右腕は抜群の身体能力も証明した。甲子園室内練習場で行われた体力測定では、立ち幅跳びで昨年トップだった佐藤輝の2メートル81センチを優に超える2メートル97センチでトップ。垂直跳び、30メートル走でもこの日計測した7選手で一番の数値をたたき出した。同トレーナーは「全部、ずばぬけて森木の能力はすごいという印象です。全てにおいてトップクラス」と絶賛。さっそく、底知れぬポテンシャルを見せつけた。

この日初対面した矢野監督の前では「1軍で1年目から勝ち星を挙げる」「将来的に世界を代表する選手になる」と誓った。高校3年間出場がかなわなかった甲子園、選手寮のある鳴尾浜の施設を見学し、ドキドキの1日ツアーは終了。高知中時代に訪れて以来の聖地に「大きかったですけど、圧倒される感じはなかったです。球場で投げているイメージはしてるので大丈夫。早くグラウンドでプレーしたいって気持ちが大きいので、早く1軍に上がってできるようにやっていきたいです」。無限の可能性を秘めた18歳が、目を輝かせた。【中野椋】

◆体成分分析装置「InBody(インボディ)」 インボディ・ジャパン(本社・東京)の計量機器で身長、年齢、体重を入力すれば、約60秒乗るだけで全身と各部位の体脂肪量、骨格筋量、筋肉量などが分かる。主にフィットネスクラブや医療用として病院で使われており、阪神では17年から導入。筋肉量やバランスなどから算出されるスコアは80点が基準とされ、筋肉が多くて体脂肪が標準な状態であれば高得点になる。近大時代の佐藤輝が100点、陸上10種競技の右代啓祐は19年に101点をマーク。上限は120点。