「NPB AWARDS 2021」が15日、都内で行われ、MVP(最優秀選手)に、パ・リーグは沢村賞右腕のオリックス山本由伸投手(23)、セ・リーグは本塁打王のヤクルト村上宗隆内野手(21)がともに初選出された。山本は最多勝など締めて21冠。村上はセ・リーグ最年少受賞となった。

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21年最後の勲章を手にしたオリックス山本に笑みがこぼれた。「MVPを受賞することができて、本当にうれしく思います。来季もいい結果でファンの皆さまに恩返しできるように頑張ります」。今季“21個目の冠”を手にしたエース右腕は、感謝の言葉を並べた。

沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振…。今季はタイトルをほぼ総ナメにした。その原点は「楽しむ」ことにあるという。「野球を楽しむ気持ちを一番大切にしています。野球をやっていると楽しいし、その気持ちを忘れずやっていきたい」。楽しんで、勝つ。時に相反する究極の難題をクリアしたからこそ、高みに上り詰めることができた。

大目標は登板全試合で勝利を収めること。「今年、(東京)五輪で一緒にプレーさせていただいた田中さん。とても尊敬しています。24勝したシーズンは今も印象に残っている。負けないのはとても難しいこと。そこを目指してやっていけたら」。13年にシーズン24勝0敗1セーブで優勝に貢献した楽天田中にあこがれ、さらなる無双を目指す。

恐るべき23歳。野球人生はこれからだ。「素晴らしい先輩方がたくさんいるし、速い球を投げる先輩方はいる。今年は成績としては一番でしたが、来年も負けないように頑張りたい」。21年が21冠なら、22年は22冠以上を目指す。【真柴健】

◆山本の21冠 MVPや沢村賞などの表彰に加え、最多勝や防御率などタイトルがめじろ押し。さらに、先発してのQS(クオリティースタート、6イニング以上自責点3以下)、制球力と奪三振能力を計るK/BB(奪三振÷与四球)、1イニングに許した走者数の指標であるWHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)などでも、パ・リーグ最高を記録した。

▼21歳の村上(ヤクルト)がMVPを受賞。MVPの最年少記録は37年春の沢村(巨人)と57年稲尾(西鉄)の20歳で、セ・リーグでは96年松井(巨人)の22歳を抜いて最年少。野手で21歳は41年川上(巨人)94年イチロー(オリックス)に並ぶプロ野球最年少タイ。今年のパ・リーグMVPは23歳の山本(オリックス)。両リーグとも23歳以下は96年の22歳松井と23歳イチロー以来2度目。