まだまだ高みを見据える。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が20日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億2000万円増の年俸2億2000万円プラス出来高でサインした。

高卒5年目野手としては、オリックス・イチローの2億円、巨人松井秀喜の1億6000万円を上回り、歴代トップ。球団から最大限の評価を受けたが、今季の成績に満足はしなかった。(金額は推定)

   ◇   ◇   ◇

村上は、大幅アップにも表情を引き締めた。「今年は今年ですごく評価されたので、来年もこれ以上の評価をされるように頑張りたい」。今年の成績を来年以降のベースラインとした。

今季は全143試合で4番として出場。打率2割7分8厘、39本塁打、112打点とリーグ優勝に大きく貢献した。20年ぶりの日本一にも貢献し、自身初の本塁打王にベストナイン、MVPを獲得。最高の1年になったが、納得はしない。今季の目標に3割30本100打点を掲げたが、打率は届かなかった。「もっとできたなという思いもあったし、あの打席こうしておけば良かったとか、あの試合こうやって取り組めば良かったとか、いろいろと反省点はある。個人成績としたらまだまだ余力があると思う」とさらに前を見た。

高卒5年目の来季は、大卒ルーキーが同学年。圧倒的な存在としてチームに君臨するが、今がピークではない。「まだまだ課題があっていいんじゃないかと思う」とうなずく。年内はストレッチなどで体の可動域を広げ、年明けからはウエートトレーニングなどで追い込んでいく。「来年は3割40本100打点ぐらいたたき出せれば満足のいくシーズンになるかなと思う」と力を込めた。

史上最年少での通算100号を達成した今季。年俸でも球史に名を残した。イチロー、松井秀喜ら名選手と比較されることも増えてきた。「すごく光栄だが、本当に僕なんて比べられる成績ではない。そういった方たちに肩を並べて、野球人生を終われればと思う」。レジェンド入りまでの道のりはまだ始まったばかりだ。【湯本勝大】

▼村上が1億2000万円増の年俸2億2000万円で契約更改。5年目までに2億円到達は15人目で、野手は5人目。過去4人はすべて外野手で、内野手では山田(ヤクルト)の6年目を抜く最速到達だ。5年目の最高年俸は13年摂津(ソフトバンク)の2億9000万円があるが、野手では08年青木(ヤクルト)に並ぶ最高額。また、高卒では09年ダルビッシュ(日本ハム)17年大谷(日本ハム)の2億7000万円に次ぐ3位で、96年イチロー(オリックス)の2億円を上回る高卒野手の最高額となった。