虎の「せごどん」がセ界を制す! 阪神ドラフト2位の最速152キロ左腕、創価大・鈴木勇斗投手(21)が、同郷の先輩たちとの対戦を心待ちにした。地元鹿児島の姶良市で自主トレを公開。プロ1年目の目標に「1年間先発ローテでフル回転」を掲げ、中日福留ら薩摩の先輩封じに意欲を燃やした。

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桜島から約20キロ。寒空の鹿児島・姶良で、鈴木が同郷の先輩へ熱い思いを語った。

「自分の高校の地域は、福留さんの地元と聞いたことがあります。それだけの能力、体がないと長年やっていけないと思うので、現役でやられているのはすごいなと思います。対戦できたら自分の実力を試せると思う」

鹿屋中央の先輩である広島松山、DeNA戸柱らセ・リーグの左打者に鹿児島出身者が多数。なかでも中日福留の名前を振られた際には、特に力が入った。ベテラン封じで、鹿児島の新たな星になる。

プロ1年目の目標は「ローテーションに入って1年間投げ続けること」。先発左腕争いは伊藤将、及川、ドラフト3位桐敷、さらには今オフ左肘のクリーニング手術を受けた高橋と激しい争いが予想されるが、「やるからには負けたくない」と鼻息荒い。

自主トレでは、アメリカンフットボールを使ったユニークなキャッチボールに取り組む。創価大2年時からのルーティン。「左腕が体から離れないように、できるだけ体の近くを通して投げる意識」を染みこませるためだ。「あれをやる前とやってからではボールが全然違う。(ボールを)鳴尾浜にも持っていこうと思います」とプロでもスタイルを変えるつもりはない。

大河ドラマ「西郷どん」のロケ地にも使われた重富海岸では、雄大な桜島をバックに飛躍への思いを込めてジャンプで記念撮影。「1年目は失敗を恐れずにたくさん挑戦していきたい。失敗しながら、1年間通していいものにしていけたらなと思います」。江戸幕府を倒し、明治維新の立役者となった西郷隆盛。本家に負けない度胸と負けん気の強さで、新時代を切り開いていく。【中野椋】