若手には譲らん! ヤクルト小川泰弘投手(31)が、2年連続の開幕投手へ強い意欲を示した。3日、東京・八王子の母校・創価大グラウンドで自主トレを公開。奥川恭伸投手(20)、高橋奎二投手(24)ら若手の成長が刺激となっていることは認めつつも「やるからには目指したい」と、通算6度目の大役へこだわりを見せた。2年連続の日本一へ、3月25日の開幕戦は阪神(京セラドーム大阪)と対戦する。

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昨季チームトップタイの9勝を挙げて日本一に貢献した小川。ソフトバンク石川、田中ら同大OBと年始恒例の合同練習を終えると、冷静な表情で、開幕投手への思いを語った。

小川 やるからには目指したいですし、しっかり自分を見つめ、自分と向き合って、やっていければなと思っています。

昨季は高卒2年目の奥川が9勝(4敗)を挙げ、24歳の左腕高橋も後半にかけて台頭。日本シリーズでは、開幕戦に奥川、第2戦に高橋が先発した。高橋は完封するなど、ともに好投。若手投手の成長に、小川は「すごく刺激になっている部分もありますし、ほんとに頼もしい若い投手なので尊敬もしています。チームにとってもすごくいいことなので、自分も負けずに頑張っていきたいです」と大いに刺激を受けていることを認めた。

昨季は7月に新型コロナウイルスに感染するなど、規定投球回に届かなかった。今季の目標は、色紙に「勝」と、昨年と同じ1文字をしたためた。前回優勝の15年は11勝8敗と活躍したが、翌16年は8勝9敗、防御率4・50と成績を落とした。「繰り返さないようにしないといけません。優勝したからとかは度外視して、毎年のように、挑戦者の気持ちでやることが大事だと思います」と、新たなシーズンに臨む決意だ。

過去に開幕投手は2年目の14年からの3年連続を含めて、5試合経験している。1勝(1敗)ながらも、防御率1・71と安定した成績を残してきた。まだまだ若手に大役は譲れない。【鈴木正章】

○…小川がバント技術向上にも意欲を見せた。昨季は3犠打で、12月の契約更改時にも球団から犠打について話があったという。自己最多は15年の7犠打。初の2ケタ犠打達成には「必須ですね。バントが決まると流れも良くなりますし、自分を助けることになる。基本からしっかりやっていきたい」と意欲を示した。

◆ヤクルトの先発陣 昨季は小川と奥川がトップタイの9勝を挙げた。4勝は4人で、最年長41歳の石川、高梨、高橋、17年ドラフト5位の金久保がマーク。シーズン3勝の原も、日本シリーズに先発した。巨人から加入した左腕田口も先発候補。外国人は6勝を挙げたサイスニードが残留し、メジャー通算14勝右腕のA・J・コールを獲得。先発枠をかけた争いを繰り広げることになる。