ソフトバンクは5日、ペイペイドームで仕事始めの鏡開きを行った。王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)は藤本新監督に向けて「藤本流」のススメを説いた。藤本監督と同じように2軍監督から昇格したヤクルト高津監督、オリックス中嶋監督の両リーグ優勝監督を引き合いに、思い切った采配を望んだ。

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王会長は8年ぶりBクラスに終わった昨季を振り返り「悔しくて忘れられない」と、胸の内を隠さなかった。その上で「前を向いていくしかない。『しっかりしろよ』という神様からのゲキをいただいたと思って」と今季に向き合った。

昨年はセ・パ両リーグともに、前年最下位だったチームが優勝。常勝ソフトバンクが4位に沈んだ点でも、波乱のシーズンだった。それだけに王会長は「2022年の戦いは予測がつかないんですよ、ハッキリ言って。だからこそ私たちとしては、やりようがある」と巻き返しを期した。

もちろんキーマンは藤本新監督。「思い切って手を打てる、という意味では藤本監督はやりやすいと思います。中嶋監督とか高津監督も、そういうところを通ってきてますから。選手と心と心のつながりがしっかりある」。藤本監督と同じく2軍監督から昇格してリーグ優勝を勝ち取った2人を持ち出し、背中を押した。

昨秋から「特別チームアドバイザー」の肩書が付いても、王会長は独自の「藤本流」を求める。「決して我々の方からこうしろ、ああしろということは一切言わない。藤本監督の思うことをやってくれればいい」。チームが「22年型」に色づくことを願った。【山本大地】