阪神中野拓夢内野手(25)が、陸上男子200メートル障害の元アジア最高記録保持者・秋本真吾氏(39)から「エコ走法」を伝授された。

鳴尾浜球場で同氏の特別講義が行われ、新人や2年目の選手に向けて行われた約1時間30分のスプリントトレーニングの後、おかわりで約30分、指導を受けた。

「今までは力んで蹴りが強く、負担がかかっていた。足を真下に置く感覚で走る方がスピードに乗るのが速いと感じたので実践したい」。追求するのは脱力し、足に負担の少ない効率のいい走り。「1年間プロで戦うには、けがしない『エコ走法』(が必要)と言われた。正しいフォームで走っていきたい」とその後も1人、ダッシュに励んだ。

16年秋から阪神で特別講師を務め、2年ぶりの現場指導となった秋本氏は「今まで見てきた中でも(理解力は)トップクラス。コーチングしてもらったことをできるようになる速度が速い」と目を丸くさせ、「走り方を見ているとまだ速くなる」と伸びしろにも期待した。

中野は下肢のコンディショニング不良で2軍キャンプスタートが濃厚となっているが、「自分の中では怖さは徐々に消えて、ほぼ全力の状態で走れている」とうなずいた。目標の50盗塁へ向けて「シーズンでも継続してやっていきたい」と「秋本メソッド」を染みこませていく。【中野椋】

▼1リーグ時代を含めて、シーズン50盗塁以上を記録した選手はのべ80人。福本豊(阪急)は72年の106盗塁を筆頭に通算14度もマークした。阪神では54、56年の吉田義男、03~05年の赤星憲広が記録。昨季はセが中野の30、パは荻野(ロッテ)ら4選手の24が最多だった。セでは05年の赤星(60盗塁)以後、50盗塁をクリアした選手は出ていない。