「藤浪撃ち」で4番バトルの先制パンチや! 阪神佐藤輝明内野手(22)が、今季初実戦となる5日の紅白戦に紅組の「4番右翼」でスタメン出場する。3日に井上ヘッドコーチが明かした。相手の先発は藤浪で、1年前の紅白戦では三振を喫した。再戦でリベンジを果たし、白組4番の大山悠輔内野手(27)との4番争いで先手を取る。

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第1クール最終日の練習終了も、時計の針は午後6時を回っていた。5日の紅白戦の相手先発が藤浪と伝えられると、疲れ果てていた佐藤輝の口調がグッと力強くなった。「(昨年は)三振だったので、今年は前に飛ばせるように頑張ります」。2日後の今季初実戦へ早くも気合を入れた。

フルスイングVS剛速球。夢の対決が2年連続で実現する。昨年2月7日の紅白戦ではオール直球勝負で空振り三振。圧倒された記憶だけが頭に残る。「早く投手の球を打ちたいと思っていた。打てるに越したことはないので、頑張って打ちます」と再戦を心待ちにした。

注目の4番バトルが本格化する。紅組で「4番右翼」を務める佐藤輝に対し、白組では大山が「4番三塁」で出場する。井上ヘッドコーチは「オレが決めたもん。メッセージ的な感じで」と競争をあおった。矢野監督が今季の4番候補に2人の名前を挙げた。大砲コンビがしのぎを削ることがチーム力アップになる。佐藤輝は「4番目に打つということ。紅白戦なんで、投手との勝負を頑張りたいと思います」と冷静に受け止め、投手との対決に集中する。

今季初の実戦を前に、試行錯誤を重ねてきた打撃フォームの原型が完成した。先乗り自主トレではバットのヘッドを背中側へ傾ける新フォームを試していたが、キャンプ3日にして変更。右脇を締め、バットのヘッドを投手側へ傾ける従来の形に戻した。

室内練習場で連日熱血指導した藤井康1・2軍巡回打撃コーチは「今日、形的には一番良かった。(構えは)本来の一番気持ちいいところだと思う。自分の中で納得のスイングができれば、打球も飛んでいくでしょうね」と予告した。佐藤輝は「いろいろ試しながら」とした上で「いい打球がいっていたと思う。紅白戦でもいい打球が出せるように頑張っていきます」と手応えをつかんだ様子。雨天のためシート打撃が中止となったが、収穫十分。藤浪、大山の両先輩を驚かせる準備が整った。【中野椋】

◆佐藤輝VS藤浪VTR 昨年2月7日の紅白戦(沖縄・宜野座)で阪神佐藤輝は紅組の1番・右翼で出場。プロ2度目の実戦で、白組2番手で登板した藤浪と4回に対決した。4球すべて直球勝負。154キロ内角を空振り、153キロ外角高めボール、内角に食い込む154キロストライクを見逃し、最後は外寄り155キロをフルスイングも空振り三振。バットの数センチ上を球が通過し「速いし、(球が)曲がっていた。初めて見ました」と驚いた。「合わせにいくのは嫌。しっかり振って次は打ちたい」とリベンジを誓ったが、その後は対戦機会がなかった。