日本ハムの沖縄・名護キャンプに12日、「BIGBOSS STAGE」が登場した。

巨大で真っ赤な外観。背もたれにはド派手な文字。日刊スポーツ評論家の森本稀哲氏(41)は、この日行われた紅白戦を新庄剛志監督(50)と並んで観戦した。巨人キャンプ名物「原タワー」を超える、高さ3・6メートル、横幅5メートルの新たな“ランドマーク”からは、どんな景色が広がっているのか。「潜入」した。

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「BIGBOSS STAGE」から紅白戦を見ていた新庄監督が、スタンドを向いて手招きした。視線の先には、放送ブースで中継の解説を務めていた森本氏。高さ3・6メートル、できたばかりのタワーの上で、ツーショットが実現した。

森本氏 高いところが苦手な人だと怖いかもしれない。そのくらい高い。でもその分、グラウンド全体を見渡せる感じ。選手の動きがよく見えます。反対に、選手にとっても「監督に見られている」と感じるんじゃないかと思います。グラウンドレベルにいるのとは存在感が違います。

制作したのは名護市内にある朝日興業企画。仮設ステージや工事用足場などをつくる会社で、BIGBOSSのカラーである赤を基調とし、注文からわずか4日間で仕上げた。同社の喜瀬社長は「ギリギリでした。本人が喜んでくれたのが一番」と胸をなで下ろしていた。

森本氏 (わずか4日で)できたことがすごい。(球団)フロントが全面バックアップするという姿勢を感じます。みんなでチームを変えようというのが伝わってくる。

同氏は1時間ほど座りっぱなしで観戦したが、疲労感はなかった。「身長(182センチ)に合わせて座席が少し高く作ってあって座りやすいです。シートにはスポンジが貼ってあり、柔らかすぎず硬すぎず、ちょうどよかった」。細部までこだわったBIGBOSS仕様になっている。

全体を見渡しながら試合を見ると、会話も自然と熱を帯びる。

森本氏 野球の話ばかりしてました。戦略の話もしたし、「この選手、期待してるんだ」とか。守備の意識を高めるため、シートノックを大事にしたい、競わせたいとも話してました。

初めてマイクを握った5日の練習日同様、この日の試合前にもBIGBOSSは「これからかっこいいシートノック始まります」と観衆を盛り上げ、終了後は「声もプレーもサード側(紅組)の勝ち」と、白黒をつけていた。

森本氏 負けて悔しいという気持ち、意識を高めたいんだと思う。現役の時の新庄さんはシートノックで拍手をもらっていた。ノックで拍手をもらえるのは本当のプロ。

BIGBOSSの意図、選手の意識、チーム全体の支え…。さまざまな思いが、真っ赤なタワーには詰まっていた。【本間翼】