広島ドラフト4位の田村俊介外野手(18=愛工大名電)が“駆けつけ”二塁打で強烈なインパクトを残した。この日1軍キャンプに合流し、紅白戦に7番左翼で即先発出場。2回2死一塁、遠藤の外角直球を逆らわずに逆方向へ打ち返し、左翼フェンス直撃の二塁打とした。「緊張した中で結果が出たのはプラス。いろんな方のプレーを見て勉強になる1日だった」。高校通算32本塁打を誇る左の巧打者が、その打棒を見せつけた。

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ドタバタの“昇格”だった。前日11日の2軍の東光寺球場での練習後に高信二2軍監督(54)から「1軍に(行け)」と指示を受けた。「びっくりしました。ホント、わくわくしました」と心を躍らせて1軍の天福球場に足を踏み入れた。投手ミーティングの最後に、「田村俊介です。よろしくおねがいします」と恐縮しながら投手陣に自己紹介。ウオーミングアップ前には会沢翼捕手(33)に肩を組まれ「緊張せずに元気よくやれ」と背中をたたかれ、歓迎された。

驚きの“初日”を終えた田村に対して佐々岡真司監督(54)は「打撃練習から良い打撃をしていた。打撃練習を見たときに『違うな』と思った」と衝撃を受けたという。今後は「明日(13日)からはファームでしっかりやってほしい。しっかり自信を持ってやってほしい」と2軍で鍛錬を積ませる意向を示した。

田村は「いろんな方のプレーを見て勉強になる部分もたくさんあった。今日はプラスになった1日だった。自分の持ち味の打撃でアピールできるようにしたい」と振り返った。

この日は“1軍体験入部”に終わったが、大きな1日になったはずだ。次は戦力として、自力で1軍への扉をこじ開ける。【前山慎治】

 

◆田村俊介(たむら・しゅんすけ)2003年(平15)8月25日生まれ、京都府舞鶴市出身。中舞鶴小で共楽少年野球クラブに所属し投手。明徳中(高知)野球部では投手兼内野手。軟式時代の最速は140キロ。高校は愛工大名電に進み、通算32本塁打。最速は145キロ。21年ドラフト4位指名で広島に入団。プロでは野手に専念する。178センチ、90キロ。左投げ左打ち。