中日石川昂弥内野手(20)が、キャンプ2度目の紅白戦で130メートル級の実戦1号をセンター左へ放った。成長を感じさせる1発にも立浪和義監督(52)ら首脳陣は厳しい評価を口にし、期待の高さが表れた。

紅組の「4番三塁」で先発出場。2回、左腕笠原のチェンジアップをとらえると、打球はフェンスを軽々と越えていった。待望の和製大砲候補の覚醒か。しかし、立浪監督の見方は違った。「今のタイミングだと、たまたま合ったのかな、ととらえています。後の打席では見送りの三振とか、真っすぐを狙って仕留められないと」。

【関連記事】中日ニュース一覧はこちら―>

首脳陣が注目したのは3回、2年目の育成右腕・松木平の直球を見逃し、三振に倒れた打席だ。中村紀打撃コーチも「1打席目と同じ形でいけば良かったのですが、同じ形ではありませんでした」。求めるレベルが高いからこその辛口評価だった。

本人も先刻承知。「1本出てよかった」としながらも「中村コーチには欲が出たなと言われました。自分でも打席の中でおかしいなと思っていた。力んで悪いクセが出た」と反省した。

もっとも「今日の石川を評価したらOKです。結果が出たことについては本人とってとてもよかった」と中村紀コーチ。立浪監督も「今取り組んでいることを継続してやっていってほしい」と期待する。プロ3年目で初の1軍キャンプ。疲労がピークの中で出た一撃が、次への大きなステップになることは間違いない。【安藤宏樹】