中日岡野祐一郎投手(27)が、開幕ローテ入りへ大きく前進した。オリックス戦に先発し、5回を無失点。19年ドラフト3位で入団した右腕はこれまでの2年間で2勝止まりだったが、重要なマウンドで結果を出した。

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昨年のパ本塁打王で青学大時代に3学年先輩だったオリックス杉本にも動じなかった。1回2死二塁で迎えた打席では、カウント1-2から外角低め142キロ直球で見逃し三振。3回1死満塁では、128キロのフォークで空を切らせた。ここぞで抜群の制球力をみせ「勝負どころでしっかりコントロールできて、杉本さんを両方(2打席とも)三振にとれたのは自信になる」と目を輝かせた。

大学、社会人3年を経てプロ入りした苦労人。今季はここまで紅白戦を含めた実戦3試合で防御率2・22と安定。「前回までは初回が悪かった」と、この日は登板直前のブルペンを5分遅らせ、立ち上がりの悪さを克服した。

宮城・石巻市出身。昨オフは、現役引退直後の山井氏らと東日本大震災で被災した気仙沼を慰問した。野球教室などで子どもたちと触れ合い「まだ風化させてはいけないと思う。結果を残して、何か感じていただけたらと思う」。故郷に凱旋(がいせん)することを期し、開幕ローテ入りを目指す。【伊東大介】