あるぞ、開幕スタメン!ソフトバンクのドラフト4位ルーキー野村勇内野手(25=NTT西日本)が13日、ヤクルト戦(神宮)でオープン戦初先発出場。自身“プロ1号”本塁打を含む3安打2打点の固め打ちは、今季オープン戦での「猛打賞」チーム一番乗りだ。持ち前の走・守に加えてバットでも存在感を発揮した。

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9回無死。野村勇は追い込まれてからの4球目を豪快に振り抜き、左中間スタンドへたたき込んだ。「とにかく自分のスイングをしようと打席に入りました。ホームランという最高の結果になりました」。プロ入り後、実戦では初となる会心の1発で、開幕1軍をグッと近づけた。

この日は「1番二塁」でオープン戦初スタメン。初回先頭の打席では四球を選び、グラシアルの適時打で生還。2回に中越えの二塁打を放つと、4回2死二塁では左前への適時打も打った。長打あり、確実性ありの万能ぶりを見せつけ「打撃ではあまりアピールできていなかったので、アピールできて良かった」とうなずいた。

本職は遊撃だが、この日は二塁と三塁の守備位置にも就いた。攻守にわたるルーキーの働きに藤本監督も「いい仕事したよね。評価は上がってますね。今日の出来を続けてくれたら、(スタメンの)可能性もありますよね」と高評価。内野は新外国人のガルビスや今宮をはじめ、ポジション争いが激しいが、新人では06年松田以来、16年ぶりとなる開幕スタメンも見えてきた。

即戦力ルーキーとして、春季キャンプでは得意の守備や走力でアピールしてきたが、終盤に右前腕部の張りが出て、一部別メニューに。福岡に戻るとファーム調整に回った。「早く戻りたい気持ちと、焦ってまた悪化しないようにというので、もどかしい気持ちでした」。2軍での実戦出場を経て、11日から1軍合流。開幕まで2週間となり、残された少ないアピール機会を逃さなかった。

オープン戦は残り5試合。野村勇は「開幕1軍に入ること。まずはそこです」と地に足を付け、着実にアピールを重ねていく。【山本大地】

◆野村勇(のむら・いさみ)1996年(平8)12月1日生まれ、兵庫県出身。垂水ファイターズで野球を始め、中学時代は神戸須磨クラブに所属。藤井学園寒川(香川)、拓大を経て19年にNTT西日本に入社。昨年から遊撃手に挑戦した。同年3月に結婚し、同9月には長女が誕生。ソフトバンクからドラフト4位指名を受けた。趣味はゴルフ、釣りなど。実家では「ちゅんちゅん」という文鳥を飼っている。175センチ、80キロ。右投げ右打ち。

 

◆ソフトバンクのレギュラー争い

★捕手 甲斐

一塁 中村晃、松田、リチャード

二塁 三森、ガルビス、野村勇、高田

三塁 松田、リチャード、ガルビス、野村勇

遊撃 ガルビス、今宮、野村勇

★左翼 栗原

中堅 牧原大、上林、佐藤直、真砂

★右翼 柳田

★DH グラシアル

★はレギュラー内定