阪神ドラフト3位桐敷拓馬投手(22)が、左腕が手薄な中継ぎへ配置転換される見込みとなった。

腰の張りで出遅れていたジョー・ガンケル投手(30)が28日に甲子園室内練習場で行われた投手指名練習に合流。4月3日巨人戦(東京ドーム)での先発が濃厚で、桐敷がブルペンに回る。ヤクルト戦で開幕3連敗を喫したが、投手陣を強化し、逆襲に打って出る。

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球団史上初となる主催試合開幕3連敗の屈辱から一夜明け、矢野阪神にさっそく動きがあった。腰の張りで出遅れていたガンケルが1軍に合流。4月3日の巨人戦に先発する見通しで、これにより、桐敷が中継ぎに配置転換となる。前日27日のヤクルト戦で6回途中3失点の好投。新人左腕はブルペン強化という次なるミッションを課せられた。

「今回、先発で経験させてもらいましたけど、自分の中では、それ(経験)が中継ぎにいくだけかなと。中継ぎにいったからどうとかではなく、難しいことは考えないようにしたい」

現状、1軍の救援左腕は岩崎、渡辺のみ。当初、期待されていた及川、岩貞が負傷により出遅れ手薄な状況が続いている。25日の開幕戦で斎藤が3失点するなど、開幕3試合で救援陣は計10失点。ストライク先行でテンポ良く投げ込める桐敷は、手薄な左腕に厚みをもたらし、ブルペンの救世主になる可能性を秘めている。入団後に「先発でも中継ぎでも頑張る」と語ってきた。その意思は「変わらないです」ときっぱり。今後も与えられた場所で腕を振る覚悟だ。

プロ初先発の緊張をほぐすように、この日はキャッチボール、ストレッチなどで汗を流した。「昨日終わった後、寮に帰ったら、どっと疲れた感じでした」と本音も吐露し、まずは疲労を抜くことに力を注ぐ。「シーズン最初にこういう機会で投げさせてもらったので、これを無駄にしたらいけない。自分の中で体力面とか、次の日どう感じたとか、考えてやっていきたいなと思います」。ヤクルト戦の球数は94球。順調に回復すれば、1日からの巨人3連戦で中継ぎ登板も可能だ。福原投手コーチは「そこは困らないというか、できるのかなと思う」と桐敷のリリーフ起用を計算に入れた。

昨季9勝のガンケルが先発ローテーションに復帰するのもプラス材料。その上で中継ぎも強化。まさかの開幕3連敗となったが、シーズンは始まったばかり。守りを固めて反撃態勢を整える。【中野椋】